タイトルを見て「??」と思われた方がいるかと思います。なぜなら普通は自分や監督がポジションを決めるものですが、「相手が決める」となると、かなり心理戦っぽい雰囲気が出て、難しさを感じますね。
たとえば、「相手にとって一番嫌な場所にいる」とか、「相手の弱点を突く動きをする」とか、ポジションというより“役割”を柔軟に変える戦術とも言えます。ある意味、相手次第で自分の位置も変わる「流動的ポジショニング」みたいなイメージです。
ちなみに、この考え方は実際にサッカーで採用される考え方に近い部分もあります。たとえばペップ・グアルディオラ監督のチームは、相手のシステムに合わせてポジションを微調整して試合ごとに変化させることがあります。
ではもう少し深掘りしていきたいと思います。
「相手が決めるポジション」とは何か?
これを解釈すると、「自分の立ち位置や動きを、相手の配置や行動に応じて柔軟に変える」という意味に近くなります。特に現代サッカーでは、このような考え方が戦術として実在しています。例をいくつか挙げていきます。
- 可変システム(フレキシブル・フォーメーション)
- 守備時と攻撃時で配置が変わる。例えば、4-3-3が攻撃時に3-2-5になる。
- 相手の弱点やフォーメーションに応じて、中盤の選手が外に開いたり中に絞ったりする。
- マンマークとゾーンのハイブリッド
- 攻撃の場面では“相手のボランチを消す”ために、自分の中盤が前に出る。
- 相手のビルドアップに合わせて、前線のプレスのかけ方が変化する。
- 相手陣ではマンツーマンディフェンス、自陣ではゾーンディフェンス。
- 「シャドウ」や「偽9番」のようなポジショニング
- メッシがかつて行なった「偽9番」はまさにその例です。相手CBがどう反応するかで、自分の動きが決まる。
- 相手に「捕まえにくい位置」を探し続ける動きは、ポジションを固定しないという意味で“相手が決める”とも言えます。
心理戦と情報戦
「相手に応じて動く」には、高度なサッカーIQが必要。そして私は以下の要素が重要であると考えています。
- 相手のクセを読む観察眼
- 瞬間判断力と柔軟性
- 味方との連携による即時のポジション調整
これができる選手は、いわゆる“試合の流れを読める選手”。日本代表で言えば遠藤保仁選手、世界的にはブスケツ選手やクロース選手などがそうだと思います。
このようなプレーができると、もはや“ポジション”は名札みたいなものでしかなくなって、「役割」と「空間」の奪い合いがサッカーの本質になってくると感じています。
実践的アプローチ:自チームでの応用法
では実際にはどのようにチームに落とし込んでいくかを見ていきたいと思います。
1. 試合中に“相手の嫌がる動き”を意識する
- 相手DFがどこを嫌がっているか観察し、そのスペースに入り込む。
- たとえばCBがボールを持つことが苦手なタイプなら、プレスをかけずあえてボールを持たせてポスミスを誘導する。
2. ポジションを“役割”として考える
- ボランチだけど、相手のトップ下が怖いなら前に出てプレスをかけに行く。
- サイドバックだけど、相手WGが中に入るなら自分も一緒に中へ入って数的優位をつくる。
3. 守備時は“マンツーマン気味”に対応する
- 完全なゾーンより、相手のキーマンに合わせて立ち位置を微調整し、マンツーマン気味についてプレーをさせないようにする。
- 「誰についてるか?」を味方と共有し、責任感を強める。
心構え&チーム作りのコツ
- 「決め打ちしない」柔軟な思考 →「俺はずっと右サイド!」ではなく、「今、そこにいるべきか?」を考えさせること。
- “型破り”ができるチームメイトを活かす →急に上がっていくCB、いつの間にかトップに入ってるボランチ…そういう自由な動きを“許容する文化”がとっても大切。
- コミュニケーションこそ最大の戦術 →「そこ行くよ!」「代わって!」って一言があるだけで、ポジションを自在に変えていける。
要するに、「ポジションを自分で決めない勇気」と、「相手とチームを見て動く余白」を持つことが、非常に大切な要素となります。
私が考えた「カメレオン型システム」はこのようなイメージとなります。何かの参考になりましたら幸いです。
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