スーパーハイプレス集団「ボーンマス」
今シーズンプレミアリーグで大躍進を遂げたボーンマス。スペイン人監督イラオラが率いるということでスペインチックなポジショナルプレーを行うチームと思いきや…、プレースタイルは「超現実主義」!!
前線から相手を激しく追い回し、そこでボールを奪えたら、あっという間にゴールを陥れる。ビルドアップもポジショナルやボール保持にこだわらずシンプルに手数をかけずにゴールに迫ります。いかに相手ゴール前にボールを早く送り込むかが鍵を握ります。攻撃の枚数を増やすためにSBも積極的にオーバーラップ、インナーラプを仕掛けていくアグレッシブなスタイル。
なんといっても圧倒的な切り替えの速さ!これはぜひゲームを見てもらいたいと思います。切り替わりの場面で遅れたり、チームのためにハードワークできなければポジションが約束されていないチームの雰囲気が漂っています。
守備は、コンパクトな陣形でハイラインを敷く。イラオラ監督は、状況に応じて、プレスの強度やラインの高さ、システムの配置を微調整していきます。
イラオラ監督は「ボールをひとりで運び、何かを起こそうとする選手を、私は高く評価する。なぜなら、ポジショナルなプレー――短いタッチでボールを回し、フリーの選手が動いていく――ばかりにこだわっていると、時に使うべきスペースを見逃してしまうからだ」と話すようにポジショナルにさほどこだわりがありません。
・「彼らは対戦相手よりも激しく、多く走ってプレッシャーをかける。そして何より重要なのは、全員が一致団結していることだ。このチームには莫大なサラリーをもらっている有名スター選手はおらず、働き者が揃っているのだ。ボーンマスの選手たちは糸に繋がれた操り人形のごとく動く。1人の選手がプレスをかければ、次の選手がそれに呼応し、それを合図にチーム全体が動く」
基本システムは4−2−3−1

相手よりも多く走り、ボールを奪えば縦へ素早く展開する。指揮官アンドニ・イラオラが実践するサッカーはシンプルなものではあるが、完璧に機能させるのは簡単ではない。
- 前線からの激しいプレッシング:
ボールを奪われたら、すぐに相手にプレッシャーをかけ、ボールを奪い返すことを狙います。
- 素早いトランジション:
攻守の切り替えを素早く行い、攻撃のチャンスを逃しません。
- スペースの有効活用:
サイドバックやウイングを使い、攻撃の枚数を増やして相手を翻弄します。
- 状況に応じた柔軟な対応:
常に同じ戦術を繰り返すのではなく、状況に応じてプレッシングの強度やラインの高さを調整します。
- 個性を活かす:
選手の能力を最大限に引き出すことを重視し、自由な発想でプレーすることを促します。クライファートやセメンヨ、ザバルニーをはじめ選手たちが特徴を活かし、躍動してプレーをしています。まさに「適材適所」!!
具体的な戦術例:
- 1-4-2-3-1や1-4-3-3のシステム:基本的なシステムとして使用し、状況に応じて変化させます。
- 両サイドバックと1CHを押し上げる攻撃:攻撃時に数的優位を作り出し、相手を圧倒します。
- 状況に応じたプレッシングの強度とラインの高さ:相手の状況や試合展開に応じて、プレッシングの強度や最終ラインの高さを調整します。
イラオラ監督の戦術は、再現性を重視するポジショナルプレーとは異なり、選手の個性を活かし、状況に応じて変化する柔軟なスタイルが特徴です。
現代サッカーの主流とは打って変わったサッカーです。それもまた魅力的なチームにつながっています。
こういったチームの戦術・戦い方を分析するのもサッカーとしては非常に重要なことだと考えています。
皆さんも是非、1試合・1チームを入念に追ってみてはいかがでしょうか?
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