システム分析第1弾:「4-4-2」

分析/解析

本日はシステム「4-4-2」に関しての記事をまとめました。
以下の書籍を参考にして、私なりに意見をまとめております。

本を引用させていただいた部分や、内容を私なりに嚙み砕いてお伝えした部分もあります。「加藤到」というフィルターを通して、戦術・システムに関する記事を楽しんでいただければと思います。

おそらくこの「4-4-2」に関する記事は3部構成になるかと思います。

・そもそも「4-4-2」はなぜ広く広まったのか?
・なぜほとんどのチーム(特にジュニア・ジュニアユースユース世代)がこのシステムを多く採用しているのか?
「4-4-2」は多くのチームが採用しているから本当に万能なのか?
そんな「万能なシステム」に弱点はないのか?

等、気になったことはないでしょうか?
私は気になります(笑)

3部すべて読めばきっと、上記の理由がすべて分かるはずです。

では早速本題へ。

4-4-2は攻守にバランスの取れたシステム

4-4-2はサッカーにおいて非常に基本的で広く使用されるフォーメーションの一つです。書籍には以下のように記載されています。

「4-4-2というフォーメーションは、サッカーにおいて非常に基本的で、どんな才能がなくてもうまく機能する優れた形態です。このフォーメーションは実質的にすべてのフォーメーションの原点であり、3バックはこの4-4-2から派生しています。」

サッカーフォーメーション図鑑

とてもシンプルでバランスのとれた構造が、様々なタイプの選手や戦術に適応しやすく、突出した才能のある選手がいなくとも、効果的に機能することができるとされているのがこのシステムです。


このシステムは守備的な安定性と攻撃的な威力を両立させることができ、そのバランスの取れた特性が魅力とされています。


前線には2枚しか選手がいないけど、どこがバランスでいいの?」


と思われた方はしばしお待ちください(笑)記事を読み進めるうちに明らかになります。

「3バックがこの4-4-2から派生している」というのは3-5-2や3-4-3などの3バックのフォーメーションは、中盤の選手を増やしてボール支配力を高め、攻撃的・ボール支配率を高める事を目的としているはずです。


この戦術をとるのであれば4-4-2と比べて
・中盤にボールキープ力のある選手、または「さばける」選手
・幅68メートルの広さを3枚のDFで守ることができる強靭なフィジカル
のある選手が必要になってきます。


よって、上記のような選手がいれば4-4-2から派生して3バックという戦術・システムを取ることは可能かと思っています。

しかしながら多くのチームがそうではありません。
繰り返しにはなりますが、通常の部活動やお父さんコーチが監督するような町クラブではそういった「タレント」選手がいるのは稀です。


よって、シンプルでバランスの取れた構造「4-4-2」が多くの監督やクラブに採用されているというのが実態です。

4-4-2のシステムにおいては3つの守備ラインが以下のように配置されます。

守備的な4バックライン(ディフェンス):
右サイドバック(RB): 右サイドのディフェンスを担当。
右センターバック(RCB): 中央のディフェンスを担当。
左センターバック(LCB): 中央のディフェンスを担当。
左サイドバック(LB): 左サイドのディフェンスを担当。

中盤の4人の選手(ミッドフィールド):
右ミッドフィールダー(RMF): 右サイドを攻撃的・守備的にサポート。
右セントラルミッドフィールダー(RCMF): 中央の中盤を制御し、守備と攻撃のリンク役。
左セントラルミッドフィールダー(LCMF): 中央の中盤を制御し、守備と攻撃のリンク役。
左ミッドフィールダー(LMF): 左サイドを攻撃的・守備的にサポート。


2人の前線(フォワード):
右フォワード(RF): 右サイドを攻撃的に牽引。
左フォワード(LF): 左サイドを攻撃的に牽引。

「なぜなら、4-4-2が基本とされる理由は、ピッチのサイズに対して最もバランスの良い配置だからです。ピッチが縦105メートル×横68メートルで構成されている場合、ゾーンディフェンスを主体とする現代のサッカーでは、横幅68メートルを3枚で守るには広すぎ、5枚だとやや狭すぎるのです。また、3つのラインで構成されるフォーメーションでは、5枚を1つのラインに割り振ると、どこかのラインが薄くなり、攻撃に対して脆弱になってしまいます。」

サッカーフォーメーション図鑑

3つのラインで構成されるフォーメーションでは、各ラインに均等に守備的な負担がかかるように配置することが重要です。しかし、DFラインが3枚の場合は守り切るにはピッチが広すぎ、逆に5枚の選手を守備ライン1つに集中させると、他のラインが薄くなり、攻撃に対して脆弱になる可能性があります。


またビルドアップのときにも、DFラインの「深さと幅」を取る際には連動と流動的なポジションチェンジが必須になってきます。

4-4-2では4バックラインが横幅を広く均等にカバーし、中盤も2列になることで、相対的に安定した守備バランスを保つことができます。


またビルドアップの際には両サイドバックが上がってCBとGKの3枚でボールを回せれば、基本的に相手より「+1」の状況をつくりだせることが簡単にできるため、この点でもバランスが良いと考えています。

したがって、4-4-2は縦横均等に選手が配置され、全てのポジションに均等に力を分散できるため、どのポジションにも突出した選手がいなくてもある程度機能することが可能ではあります。この均衡性とバランスが、4-4-2の魅力であることは間違いありません。

この記事のまとめ

「4-4-2は個々の選手の才能に頼らず、チーム全体の協力によって成功することができるフォーメーションです。つまり、驚くようなドリブラーや天才的な選手がいなくても、平凡なチームでもかなりの完成度まで高めることができるのです。サッカー界では、スーパータレントを持つビッグクラブはごく一部であり、多くのクラブはそういったスーパーな選手を抱えることが難しいのが現実です。」

サッカーフォーメーション図鑑


4-4-2が多くのチームに採用される理由

・バランスが良い
サッカーのフィールドを考えた時に、MFラインとDFラインに4枚の選手がいることで幅68mのピッチを満遍なく守備することが可能。
またビルドアップの際も、両サイドバックが両サイドハーフの選手を押し上げ最終ラインはCBとGKの3枚でボールを回せれば、基本的に相手より「+1」の状況をつくりだせる。2-4-4のバランスの良い攻撃システム

・突出した選手がなくてもシステムの良さを最大限発揮することができる
ドリブルの巧みな選手や特異な才能を持つ選手がいなくても、4-4-2では連携やコンパクトな守備組織、堅実な攻撃などが強みとなります。

この続きは第2弾で書き進めて行きます。
乞うご期待ください。


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