「努力が報われない日も、あなたは価値ある存在」
私は現在プロサッカー選手の個人分析官をしています。仕事としてはゲームの映像から選手のプレーを切り取り、その映像をもとに様々なアイデアや考えをフィードバックしていきます。プロサッカー選手はチームには所属していますが「個人事業主」であり、孤独であると思っています。だからこそ、選手たちに寄り添い、生活の拠り所の一つになることができるように日々奮闘しています。
そんな私が選手たちに感じていることを言葉にしてみましたので、ぜひご一読ください。サッカー以外にもつながることがあるかなと思います。
結果がすべて…にみられる世界の中で
試合に出られなかった日、必死に走っても、必死に声を出してもなかなか評価されない日々。そんな日はサッカーをやっていればいくらでも訪れます。 まるで、頑張ることが“空振り”に終わったように感じる時もあります。しかし、努力が「報われる日」だけが価値のある日じゃない。そう私は考えています。誰にも見えなくても、その努力は確かにあなたの内側を育てている。あなたたちは、結果では測れない素晴らしく尊い存在です。
見えない努力、数字に残らない価値
「数字に出ない努力なんて意味がない」 そう言われる世界に、生きていませんか?誰かが見ているときだけ全力を出す人よりも、誰にも見られなくても黙々とトレーニングを積む人が、私は本当にすごいと思います。 評価は成績や出場時間ではかりがちですが、あなたの努力はきっと、他の誰かの背中を押している。
たとえスコアや勝敗には反映されなくても、その姿勢はチームに「信頼」や「誠実さ」という空気を生み出す。 それは数字以上に、大切な価値です。そして、何よりあなたを応援してくれている家族や友人にとって大切な存在、声を枯らして応援してくれるサポーターの方々にとってあなたたちはヒーローです。それだけでも十分な価値があります。
「自分には価値がない」と感じる瞬間の乗り越え方
スタメンに選ばれなかった日。 ミスで試合を落とした日。 そんなとき、「自分なんていなくてもいいんじゃないか」と感じること、ありませんか?でも、覚えていて欲しいことがあります。あなたが必死にプレーすることで、誰かが安心し、勇気づけられている瞬間が必ずあるということを。
コーチや仲間があなたに声をかけるとき、その言葉の裏には「信頼」がある。結果が出なかったとしても、その信頼は消えたりしません。あなたは“役に立つから”存在しているのではありません。 “あなたらしくあること”が、すでに価値なのです。
努力を続ける勇気の育て方
結果が出なくても、それでも前を向いて努力を続けるには「勇気」が要ります。その勇気は、「成果」からは生まれません。むしろ、小さな“共感”や“言葉”の積み重ねから育っていきます。
「見てるよ」「あなたの頑張り、ちゃんと伝わってる」そんな何気ないひと言が、もう一歩踏み出す力になる。自分の中にいる自分としっかり対話してみてください。勇気が自分の中にないと感じるときは、誰かから受け取ってみるのもいい。そして、あなた自身も、誰かの勇気になれる存在です。
結果が出なくても、あなたはすでに誰かの希望です
努力が結果として表れるのは、もしかしたらずっと先かもしれません。でも今この瞬間も、あなたの存在と姿勢が誰かを照らしている。勝てない試合の後でも、ベンチにいた日でも、あきらめなかったあなたの背中を、チームメイト、スタッフはちゃんと見ています。誰も気づかないところで、あなたは「希望」になっているのです。
報われない努力なんて、ひとつもない。 報われるかどうかを決めるのは、あなたの“成果”ではなく、“生き方”そのものなのです。
結果を求められる場所に身を置き、鎬を削っている毎日。限られた人数しか試合に出場することができず出れない日はモヤモヤと過ごすこともあると思います。出場した日でもうまくいかないことはたくさんあり落ち込む時もあると思います。
その気持ちを簡単に「わかるよ」とは言いたくありませんが、寄り添いながらひたむきにパフォーマンスの向上を突き詰めていきたいと私自身は思っています。そして、その苦楽を共にして、結果に対して選手とたちと一緒に一喜一憂していけるこの仕事にやりがいと責任を感じています。
選手の皆さんはすでに「希望の光」です!!価値ある存在です!!
そのことだけは声を大にして伝えたいです。
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