1. なぜ指示が伝わらないのか――言葉と行動のギャップ
ベンチから飛ぶ「寄せろ」「強度を上げろ」という声は、一見すると的確です。しかし狙い・意図・方法を選手と共有しないまま繰り返すと、選手は“とりあえず突っ込む”という行動に流れがちです。結果として守備バランスが崩れ、奪えずにかわされ、さらに大声で同じ指示が飛ぶ――負の連鎖が生まれます。
指導者側と選手側で「同じ言葉を聞いても思い浮かべるイメージが違う」状態を放置すると、ピッチ上での修正はほぼ不可能です。まずは 「何をどうするための言葉なのか」 を具体的に定義し、共通のものさしを作ることが第一歩となります。
2. 「寄せ」を具体化する――距離・方向・タイミングの共有
「寄せろ」と言われたとき、選手の頭にはさまざまな疑問が湧きます。「何メートル詰めるのか」「カバーは誰が入るのか」「外へ追い込むのか内側を切るのか」。曖昧なままでは、距離は詰めたが相手に交わされる、ギャップを攻略される、という悲劇が起こります。
チーム内で共有したい例として、ポイントは次の三つです。
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