今回は私がトレーニングの作成や実際トレーニングを行う際に大切にしている「前提づくり」について書いていきたいと思います。
トレーニングの考え方の一つに、「できないことをできるようにしていく」ということがあります。例えば、「次の対戦相手となるチームは4−3−3で高い位置から積極的に守備をおこなってくるチーム」だとします。
その対策として、週のトレーニングの中に「高い位置からの守備に対する攻撃の仕方」のトレーニングメニューを作成・実践しようと考えた時に、トレーニング内で「高い位置から積極的に守備をすること」がまず大切になります。
チーム内で攻撃の練習に重点を置くのではなく、そもそも対戦と同様に
「前線からの激しいプレス」
「強度の高い守備」
「激しい当たり」
等の、【積極的な守備】に当てはまることが練習でできなければ対策トレーニングが成立しません。
これが、「前提づくり」になります。
1. なぜそのトレーニングが必要なのか?
2. その状況を作り上げることがチーム内で可能なのか?
のこの2つを考えることが重要です。
しかしこの前提作りが間違ってしまってトレーニングしているチームが私は多いように思います。
攻撃のトレーニングであれば、強固な守備をまず作り上げる、守備のトレーニングであれば、強力な攻撃をまず作り上げることが必要です。なぜならこの「前提」がないとせっかくのトレーニングが目的なく行われてしまうことになります。
例えば先ほどの例であれば、「高い位置から積極的に守備をしてくる相手に対しての攻撃のトレーニングをしたいのに、「ゴール前でブロックを守備が作って守っている」状況では成立しませんね。
もう一つ例を挙げます。例えば「フィニッシュ」や「ゴールを守る」というテーマでトレーニングを作るときに「ゴールを使わない」メニューが入っていたとしたら?明らかに前提が崩れてしまっています。このようにトレーニングのテーマの裏側、「なぜそのトレーニングをするのか?」、そして前提をしっかりと作った上でトレーニングをすることがより効果的なトレーニングとなります。
このようなことをライセンス講習会や指導者講習会等でたくさん聞いてきました。当たり前のことかもしれませんがトレーニングを作成、実践する上では非常に重要な要素だと思っています。
是非皆さんも自分のトレーニングの前提が正しいのかを、この機会に振り返ってみてください。
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