近年いろいろな戦術用語が出てきており、「ん?どう言う意味かな?」と思う瞬間があります。一旦整理してみたいと思います。
ジャンプ
サッカーの戦術用語における「ジャンプ」は、単なる“跳ぶ”という動作を超えて、プレッシングや守備ブロックの切り替えに関する重要なコンセプトを指します。ここでの「ジャンプ」は、戦術的な“移動”や“飛び出し”のニュアンスが強いです。詳しくご紹介します↓↓↓
※戦術的な「ジャンプ」とは?
- 守備ラインから飛び出してプレッシャーをかける行為
- 例:4-4-2のブロックから、センターバックが前方の選手に“ジャンプ”してプレスをかける。
- 中盤や最終ラインが連動して“前に出る”動き
- 1人がジャンプすることで、周囲の選手もラインを押し上げ、プレッシャーを連続化する。
- “守備のスイッチ”のトリガー
- 相手のパスやポジショニングに合わせてジャンプし、守備の主導権を奪いにいく。
なぜ重要?
- 守備が“受け身”でなく“能動的”になる
- プレッシングのタイミングや連動した動きを左右する
- 相手のビルドアップを止めるための大胆な一手となる
コンパクトネス(Compactness)=コンパクト
定義: プレーエリアでの選手間の距離を保ち、縦にも横にも間延びせずにラインを保つこと。
目的:
- 相手にスペースを与えない
- セカンドボールを拾いやすくする
- 守備の連携をしやすくする
効果的な場面:
- ボール非保持時(守備時)に中央を固めるとき
- 自陣ペナルティエリア前にブロックを敷いて守るとき
例: アトレティコ・マドリード(ディエゴ・シメオネ監督)などは、極端にコンパクトな4-4-2ブロックで有名ですね。
スライド(Slide)
定義: 相手のボールの動きに合わせてチーム全体が連動して横にずれる守備。
目的:
- ボールサイドに人数をかけて圧力をかける
- パスコースを限定する
- 無駄なスペースを埋めて、数的不利を避ける
ポイント:
- 1人だけではなく、チーム全体が連動して動くことが大前提
- 前線〜最終ラインまでバランスよくスライドする必要あり
例: ポゼッション志向の相手に対して、ブロックを保ちながらスライドすることでスペース管理を徹底する戦術です。
📌 まとめると…
用語 | 意味・目的 | 代表的な使い方 |
コンパクトネス | 選手間の距離を保ち、スペースを消す | ブロック守備、中央の締め |
スライド | チーム全体が横に連動して守備エリアを調整する | ボールサイドへの圧力、パス制限 |
これらの戦術用語は「ジャンプ」と組み合わせて考えるとよりリアルになります。たとえば:
「中盤がスライド → 相手ボランチにジャンプ → コンパクトにバイタル閉鎖」みたいな流れです!
レーン管理(Lane Management)
定義: ピッチを縦に分割した“レーン”を意識して、各選手が自分の守備・攻撃のゾーンを担当する考え方。
目的:
- ポジショニングを整理しやすくする
- 過剰なポジションのかぶりを防ぐ
- 守備時には、相手に自由な縦パスやドリブルコースを与えないようにする
代表例: ペップ・グアルディオラが好んで使う「5レーン理論」では、攻撃時にレーンを意識しながらポジショニングを構築します。
※トリガープレス(Trigger Press)
定義: 相手の特定の動作やパスに反応して、チーム全体でプレッシングを開始する守備戦術。
主な“トリガー”(引き金)例:
- 相手の横パス or バックパス
- トラップが乱れた瞬間
- ボールを持つ選手が利き足と逆方向を向いているとき(私は「ボール状況」と呼びます)
特徴:
- 反応型のプレッシング
- 個人任せではなく、チーム全体で連動することが重要
- 一度スイッチが入ると、一気に相手を囲い込む動きが始まる
代表例: ユルゲン・クロップの「ゲーゲンプレス(カウンタープレス)」に近い考え方で、ボールを奪い返すためのスイッチとして機能します。私は「守備のスイッチ」と表現しています。
補足:戦術用語の関係性
「レーン管理」や「コンパクト」はポジショナルな準備、 「トリガープレス」「ジャンプ」はアクションのきっかけ、 「スライド」はチーム全体の連動動作として考えると、理解が深まります。
※オーバーロード(Overload)
定義: ボールのあるサイドや特定エリアに意図的に選手を多く配置して数的優位を作る戦術。
目的:
- 数的優位で相手守備を引き寄せる
- プレッシャーを回避しやすくする
- 逆サイドにスペースを作り、“スイッチ”で展開するチャンスを作る
例: グアルディオラのチームは、サイドでオーバーロード→一気に逆サイドへ展開、という「オーバーロード・トゥ・アイソレーション」をよく使います。※アイソレーション=1vs1
※インサイドレーン(Inside Lane)
定義: ピッチを縦に分けた時の「中央とサイドの中間」にあたる“斜め”のゾーン(ハーフスペースとも言います)。
活用のポイント:
- フォワードやインサイドハーフがライン間で受けやすい
- サイドバックやウィンガーのカットインのコースとしても有効
- クロス or シュート、ドリブルの選択肢が広がる
重要性: 現代サッカーではこのレーンを制する者が攻撃の主導権を握るとも言えます。守備側にとっては非常に捕まえにくいゾーンとなります。
※ピン留め(Pinning / Pin)
定義: 相手のディフェンスラインや中盤の選手を、その場に固定して動かせなくする動き。
主な手法:
- 最前線の選手がCBに張り付く
- サイドの高い位置取りでSBを“ピン”して動かせないようにする
効果:
- 相手のスライドを妨げる
- 他の味方にスペースを与える
- セットプレー前の立ち位置などでも使われる
3つの連動例:
ウィンガーが高い位置でピン留め → 中盤がインサイドレーンで前進 → サイドでオーバーロードして崩す
このように連動することで、相手の守備を分断し、ゴールに直結するプレーを生み出せます。
私はこの「ピン留め」を「ロックする」と表現しています。
いかがでしたでしょうか?
一度整理してみると使いやすいものもあることがわかります。私も非常に整理されました!!
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