トレンドに敏感なのは良いが…
今回はトレーニングを考える上で、また、チームの決め事や戦術を考える上で非常に大切な要素について書いていきたいと思います。
近年、情報網が発達し、またSNS等を通じて世界のサッカーのトレンドをすぐに調べたり、見たりすることができます。例えば、プレミアリーグで昨シーズン優勝をしたマンチェスター・シティのチーム戦術や、圧倒的な強さでブンデスリーガを制したレバークーゼンの戦い方をすぐに見ることができます。
ここで気をつけたいことは、トレンドに乗っかって自チームに新たな戦術を取り入れることです。よく目にするのが、ポジション取りについてです。「偽SB」「偽9番」などといった言葉、ポジションが以前トレンドとなりました。
そのポジションを採用しているチームがありましたが、全く効果的ではなく、選手に「なぜそのポジション取りをしているの?」と聞いても、「監督に言われたから…」といった答えが返ってきました。
ポジションを取ることの意味、すなわち「目的」が全く理解されていないケースが多々あることが事実です。これは非常に危険です。トレーニングに関しても、コーチに「なぜこのトレーニングメニューを行っているのですか?」と質問をすると、「本で見て面白そうだったから」「YouTubeで見つけました」といった回答がくることもあります。
「なぜ?」という目的が非常に大切です。その目的を達成するための「手段」が戦術であったり、トレーニングメニューです。そこが抜け落ちているとなかなかゲームでうまくいくことはありません。
それって勝利から逆算できてる?
孫子の兵法はビジネス界でも有名であり、数々の名言を残していますが
ここで、有名な『孫子の兵法』の一節を引用したいと思います。
「勝兵は先ず勝ちてしかる後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いてしかる後に勝ちを求む」。
これは、勝利のための準備を整えてから戦いに臨むべきであり、無計画に戦って後から勝利を求めても手遅れである、という意味です。
流行りにのって戦術を採用すること練習を取り入れることは、あまりにもナンセンスです。自分たちの戦力やチーム状況から考えて「勝つためにはどうしたらよいか」の逆算が重要であると我々は考えています、トレンドのトレーニングが必ずしも自分たちのチームにフィットするわけではないということを理解する必要があります。
目的を明確にし、その目的を達成するための目標を設定し、そのための手段を講じることが重要です。ここで再度「目的・目標・手段」を定義したいと思います。
目的:最終的に達成したい状態や結果。チームとしてのビジョンや使命にあたります。
目標:目的を達成するための具体的な指標やステップ。短期的・中期的な達成項目を指します。
手段:目標を達成するための具体的な行動や方法。戦術やトレーニングメニューがこれに該当します。
これらを明確にし、目的から逆算して戦術やトレーニングを組み立てることで、初めて効果的なチーム作りが可能になります。トレンドに惑わされず、自分たちの目的に合った手段を選択することが重要です。
自分への戒めも含めて、再度いろいろなことを整理していきたいと思います。
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