今回はJ2で4連勝と好調をキープしているロアッソ熊本のゲーム分析をしていきたいと思います。
今シーズン序盤はなかなか波に乗ることができず、J3降格圏前後を彷徨っていましたがここにきて4連勝、戦いも安定してきている印象です。3−4−2−1、3−4−1−2のシステムを採用していたところから、6月末より3−3−3−1に変化し、ここ数試合で安定感が増してきていると感じています。
今回見たゲームはJ2リーグ第33節ザスパ群馬とのゲームになります。前日の結果によりJ3への降格が決まってしまった群馬との一戦になります。
赤がロアッソ、青がザスパになります。番号についてはアプリの都合上バラバラになっていますのでご了承ください。ロアッソは3−3−3−1、ザスパは3−4−2−1のシステムがベースになっています。ともに相手に押し込まれると5−4−1の守備ブロックを形成してゴール前を固めるという印象です。
ロアッソは守備は前線からハイプレッシャーをかけて相手陣でボールを奪いにいくことが非常に多く後ろからどんどんと湧き上がりボールにプレッシャーをかけていく姿勢は相変わらず気持ちがいいです。これは大木監督のサッカーが本当に浸透していることがよくうかがえます。
ビルドアップは固定された動きはなくボールの近くに密集を作り出し、ショートパスとドリブルで相手を攻略していきます。例えば、C Bがボールを持つとW Bがインサイドに入ってきて上記の図のように中央に数的優位を作り出したり、
ウイングにボールが入るとすぐさまサポートに入り、コンパクトを保ち、数的優位を作り出します。このサポートに入るスピード、運動量は本当に全員が徹底されています。
ロアッソのサッカーからは「孤立」という言葉がほぼありません。おそらくこれこそまさに「徹底」という言葉が体現化されていると思います。これは町田ゼルビアにも感じていることではありますが「徹底」されていることで非常に強固な組織が出来上がると感じています。
中途半端な徹底はすぐに崩壊します。そして、中途半端な徹底はおそらく積み上がりませんので、コロコロと戦い方が変わってしまい結果浸透しません。
相手が対応してこればトップ下がアンカー脇に降りてきて、W Bがインサイドに入るなどポジションを流動的に変えながら、優位性を作り出していきます。もちろん優先順位の一番である相手D Fラインの背後へのボールもあります。非常に柔軟でつかみどころのない攻撃を繰り広げています。
今シーズンなかなか見る機会がありませんでしたが久しぶりに見て、またワクワクしました。相変わらず大木監督のサッカーは面白いです。また今後も追っていきたいと思っています。
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