現代サッカーの攻撃戦術は、より緻密に、よりスピーディーに進化を続けています。その中で、得点に直結する最も危険なエリアはどこか、そしてそこをいかにして守るか、という問いは、あらゆるチームにとって永遠の課題です。
近年、その答えとして戦術的な重要性が増しているのが、「バイタルエリアをいかにして封鎖するか」という考え方です。そして、そのための効果的な解決策として、かつては守備的な戦術と見なされていた「5バック」システムが、再び世界のトップレベルで採用される例が増えていると考えています。
今回は、まず現代守備戦術の核心である「バイタルエリア封鎖」とは何か、その定義と具体的な方法を解説します。その上で、なぜ今、「5バック」がそのための最適解として再評価され、増加傾向にあるのか、その5つの理由を深く掘り下げていきます。
「バイタルエリア封鎖」とは何か？
「バイタルエリア封鎖」とは、相手の攻撃を食い止めるため、ピッチ上で最も得点に繋がりやすい危険なエリア、すなわち「バイタルエリア」への、相手選手の侵入やパス供給を組織的に防ぐ守備戦術のことです。
バイタルエリアの定義と重要性
バイタルエリアとは、具体的にどの場所を指すのでしょうか。一般的に、センターバック（CB）と守備的ミッドフィルダー（DMF）の間に生まれるスペースを指します。範囲としては、ペナルティエリアの横幅と同じくらいで、特にペナルティアーク付近が該当することが多いです。
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