サッカーにおいて、試合前のウォーミングアップは選手のパフォーマンスを最大限に引き出すために欠かせない要素です。ウォーミングアップを正しく行うことは、怪我の予防や集中力の向上にも繋がります。もちろん今まで行ってきたトレーニングの振り返り、チームコンセプトの確認も含まれています。
今回は、私がよく行っているウォーミングアップの流れをご紹介します。
ピッチ外での準備
ランニングとストレッチ
まず始めに、ランニングをして体を温めます。特に冬場の気温が低い時には、いきなりストレッチを行うよりも、ランニングやブラジル体操を取り入れてウォーミングアップの準備をします。その後、じっくりとストレッチを行い、全身の筋肉をほぐしていきます。
チューブトレーニング
ストレッチの後は、チューブを使って股関節を中心に柔軟性を高め、関節の可動域を広げていきます。私のYouTubeチャンネルでも紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
ステップワーク
次に、以下のようにマーカーを配置し、ステップワークを行います。
- 左側(直線的な動き):4〜5つのマーカーを様々なステップで通過し、少し離れたマーカーまでスプリントしてストップします。これを数種類のバリエーションで行います。
- 右側(多方向の動き):左右、前後、斜めの動きを取り入れ、俊敏性と方向転換のスキルを高めます。
ピッチ内でのトレーニング
このようにピッチ内は準備をしておきます
パス&コントロール
右上のエリアでパス&コントロールを行います。パス&コントロール、ターン、くさびのサポートなど、試合で起こり得る状況を反復練習します。ピッチの状態や自分のボールタッチの感覚を確認します。
4vs1(ロンド)
同じグリッドを使用し、4vs1(または3vs1、4vs2、5vs2)のロンドを行います。タッチ制限を設けたり、グリッドを移動したりしてルールを変化させます。一般的なルールとして、2タッチの後は必ず1タッチでプレーすること、DFがドリブルでエリアを出たら交代することでトランジションを取り入れます。
4vs4+2サーバー+1フリーマン(ポゼッション)
中央のグリッドを使用し、4vs4+2サーバー+1フリーマンで方向性のあるポゼッションを行います。サーバーやフリーマンを活用することで数的優位を作り、ポジショニングや味方の発見、優先順位を持ったプレーを意識します。守備側は4人の連動が重要で、中間ポジションからのアプローチや連動など、守備のコンセプトを確認します。
5vs5ポゼッション
2種類目のポゼッションとして、5vs5の同数で行います。相手を外しながらボールを保持し、マンツーマンに近い状況で各自が目の前の選手に責任を持って強度の高い攻防を繰り広げます。異なる形式のポゼッションを行うことで、選手の思考や判断力を刺激します。
ポジション別フリートレーニング
ピッチでの最後のウォーミングアップとして、ポジション別にフリートレーニングを行います。
- DF:ラインコントロールの確認、ロングボール、ヘディング
- MF:ロングボール、クロスボール、シュート
- FW:シュート練習
各ポジションで必要なスキルや確認したいポイントを重点的に練習します。
スプリント
必要に応じて、最後にスプリントを行い、一度心拍数を上げてウォーミングアップを締めくくります。
ウォーミングにおける流れの重要性
ウォーミングアップは、ただ体を温めるだけでなく、試合に向けた心身の準備やチーム全体の連携を高める重要な時間です。
そして、1週間のトレーニングの振り返りとチームコンセプトの再確認の意味ももちろん含まれています。
そのため、【流れ】を意識することはとても重要だと考えています。
単純な対面パスも良いかもしれませんが、それが1週間行ってきたトレーニングつながっていないのであれば考え直すべきでしょう。
トレーニングにおいてもオーガナイズはとても重要ですがmウォーミングアップにおいても同様です。コンセプトやシステム、今までの練習の意図・目的や流れを明確にし、選手一人ひとりが自分の役割を理解することで、試合でのチーム全体のパフォーマンスが向上します。
このウォーミングアップの一例が、皆様のトレーニングの参考になれば幸いです。
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