今回は私がトレーニングをするときに大切にしている5つの要素について書いていきたいと思います。
各々の指導者の方が、それぞれの拘り・考えがあると思いますが、是非参考にしていただけたらと思います。
明確なコンセプトに基づいたトレーニング・コーチング
サッカーというスポーツは何百通り・何千通りといった考えがあると思います。
指導者が10人いれば10通りの考え方があるように。しかし、あれもこれもランダムにコーチングをしていってしまうと選手は混乱します。
だからこそ、プレーモデルやコンセプトが必要になってくると思っています。そのコンセプト・プレーモデルに照らし合わせたものをコーチングしていくようにしています。そしてトレーニングの構築の際にも、プレーモデルやコンセプトからの逆算で行います。
前提づくり
以前にも記事を書きましたが、「前提づくり」をしっかりします。
シンプルな表現にすると、攻撃のトレーニングの際には相手の守備をしっかりと構築します。そうしないと本当にやりたいこと、落とし込みたいことが伝わりません。想像してください。守備のトレーニングを行いたいのにも関わらず攻撃がミスパスばかりでは本当の守備は身につきません。
トレーニングとは「できないことをできるようにしていくこと」です。そして相手が必ずいます。やりたいことの裏側にもしっかりとアプローチできるように心がけています。
プレーの確保
サッカーはサッカーをして上達します。
伝えたいことが多すぎてグランドで「講義」を始めてしまうことが以前はありました。そして、以前の職業柄(公立教師)かもしれませんが「説明が長い」と指摘されることが多かったです。これでは選手が話を聞くことがメインになってしまい、反復ができません。
今は海外で言語が異なる選手・コーチに指導するケースが増えています。私は日本語一街の言語ができませんので、通訳の方に入ってもらいます。となると、私の話が長いと通訳と合わせると約倍の時間話を聞くことになってしまいます。これではプレーの時間を確保することができませんので、いらない言葉を削ぎ落として、シンプルかつスピーディーに言葉をチョイスするようになりました。
これにより選手たちのプレー時間が確保され、反復回数が増えるようになりました。(まだまだですが…。)ここは、私がかなり意識をしていることです。選手たちは話を聞きにきているのではなく、プレーをしにきているということを頭の中に入れておきたいです。
効果的なコーチング
どのタイミングで、どのコーチングが必要かを見極めるようにしています。
コーチングの方法もフリーズ(全体をとめて、全員に対してのコーチング)にするのか?それともシンクロ(プレーは止めずに選手たちに声かけをしていく)にするのか?デモンストレーションで実際にプレーを再現するのか?また、ミーティングで全体に意図を伝えるのか?何が今必要かを見極めながらコーチングをしていきます。またコーチングの際の声のトーンにも気をつけています。
少し強い口調で伝える時、わざと小さな声で集中させたり、以前「コーチングに抑揚をつけること」と指摘していただきました。全部同じトーンでは選手たちに入っていかないよと。そこからトーンについては非常に意識をしています。そして、コーチングした内容を選手がトライしていれば褒める、良いプレーは褒める、選手を乗せていくことも必要だと感じています。
選手は駒ではなく感情を持った人間です。やはり選手の表情を見ながらコーチングを変えていけるようにしていきたいです。
原理原則に基づいたコーチング
これは私の以前の記事にも書いた「サッカーの原理原則」に基づいたコーチングはマストです。もし原則から外れたことをする場合は必ず説明を加えます。1.のコンセプトやプレーモデルにも関わってくる内容でもあります。ここも外せない要素になります。
このほかにも「時間の管理」(コーチも時間を守る)、立ち位置の工夫(太陽はどこにあるか?全体が見える場所か?フォーカスしたいものが見える場所か?)、配球方法、そしてパッション(情熱)といった要素ももちろん大事です。このようなことを頭の中に入れてトレーニングを行っていきたいと考えています。
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