本日の記事は、皆さんと一緒に考えたい・考えてほしいという意味も込めて記事を作成しました。
育成年代の指導をしていると、常に付きまとう問題があります。
それは、
「勝利に徹底的にこだわるのか」
「個の育成に徹底的にこだわるのか」
です。
興国高校の元監督の内野さんが生徒たちに
「選手権に出たいかサッカー選手になりたか、どっちがいい?と聞くとほとんどの生徒がサッカー選手になりたいと答える」
とYouTubeで流れたいことが頭の片隅に残っています。
トーナメントのような大会においては極端な話ですが、勝たなければ意味がありません。もちろん全く意味の無いことはありませんが。(なぜなら次のステージに進めないからという意味でです)
私がヘッドコーチをしていた国体の試合においても徹底的に勝利にこだわり、選手たちとトレーニングを積んできました。
一方で、自チームにおいては技術の向上・個の育成にフォーカスしてトレーニング・指導をしてきたつもりです。もちろん勝つことを目指してですが、ウエイトとしては個の育成が高かったです。
私なりの「勝利至上主義」と「育成至上主義」のメリット・デメリットを書かせていただきました。(あくまでも個人的な見解ですので、ご理解ください・・・)
勝利至上主義
勝利至上主義は、競技スポーツにおいて勝つことが最も重要であるという信念に基づいています。もちろん、スポーツ競技を追求する上で、勝ちたいというモチベーションはとても重要です。
モチベーションの向上
勝利は選手やチームのモチベーションを高め、目標を達成するために取り組む姿勢を促進します。選手たちは競争の中で自己超越を追求し、トレーニングに対する熱意を持つことができます。
チームの好循環
勝つことで、全国大会や各リーグでカテゴリー上がっていけば、良い選手が入ってくる確率があがり、チームとしての好循環が生まれると思います。
勝てるチームに入りたい。これは正直なところ実際にあると思います。
一方で、勝利至上主義にはいくつかのデメリットも存在します。
過度のプレッシャー
勝利が唯一の目標とされると、選手たちに対して過度のプレッシャーがかかり、ストレス問題が引き起こされることがあります。
また、「ミスしてはいけない」といった過度なプレッシャーも同様です。
倫理的な問題
勝利至上主義のもとでは、ルール違反やヤジ等ももしかしたら頻繫に起こるかもしれません。勝てば何でも良いと言ったイメージです。
育成至上主義
育成至上主義は、スポーツを通じて選手の成長とキャリアの発展を重視するアプローチです。そのメリットは以下の点です。
選手の発展
育成至上主義は、選手の技術やキャリアを長期的に考え、持続的な成長を支援します。若い選手に機会を提供し、彼らがポテンシャルを最大限に発揮できるようにします。
ボトムアップ
育成至上主義は「底上げ」にフォーカスしているとも言えます。うまい選手だけが試合にでるのではなく、全ての選手に技術向上の機会を与えられる。それが最大のメリットの1つでもあると思っています。
しかし、育成至上主義にもデメリットが存在します。
モチベーションの低下(の恐れ)
勝利が主要な目標でない場合(勝たなくても良いと言ってるわけではない)、あまりに負け越しが続くと、選手のモチベーション維持管理が難しくなる恐れがあります。
そうは言っても…勝ちたい!!が選手と指導者の本音
上記の通りで「そうは言っても勝ちたい」のが選手と指導者の本音であると私は考えています。
「勝ち癖」という言葉を皆さんも聞いたことがあると思います。
「勝ち癖」とは、スポーツにおいて勝利し続けることで得られるポジティブなメンタリティや習慣の事だと思っています。勝つことが習慣になる・当たり前になることはメンタル面を考えると効果は絶大なものだと思っています。
勝利を重ねることで選手やチームが自信を持ち、試合前の準備段階から「我々は勝てる」と思って試合に臨めることはかなりのアドバンテージだと思っています。
勝利という体験を積み重ねることで得られる成功体験は、日頃のトレーニングや練習試合では得られることができない貴重なモノです。
この成功体験の積み重ねこそが、練習に対するモチベーションの向上・挫けそうになった時のレジリエンス力等に繋がるのではないかと考えいます。
だからこそ…そうは言っても勝ちたい。
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