今日は私が以前取り組んでいた2-7-1というシステムについて書いていきたいと思います。
ぼんやりと読んでいただければと思います。
私は元日本代表の監督であったイビチャ・オシムさんが大好きで、彼のチームをよく見ていました。そしてトレーニングメニューについても参考にさせていただくことが非常に多かったです。そして、そのオシムさんが採用していたシステム2-6-2、これを我がチームに採用していました。
しかし、私の中で「他の人と違うサッカーがしたい(完全に自己満足で、当時の選手たちには申し訳ないと思っていますが…)」という思いが沸々と湧いてきたのと、相手のシステムが3-6-1と中盤の選手が6枚いても、それより多い人数であれば+1でポゼッション(ボール保持)ができるだろうと考えたどり着いたのが2-7-1でした。配置は下記の図のようなものになります。
試合前に提出するメンバー表の表記にもDFは2人、MFは7人と記載していたため、当時は相手チームや本部の方々に「到、真面目に書け!こんなわけないだろう」とよく言われました。しかし、当の私は「いや本当にうちはこれでやっているので、見ていてください!嘘ではありません!」とよくいっていました。
みなさんも「本当にこんなシステムでやっていたのか??」と疑問に思うことがあるかもしれませんが、本当にやっていました。そして愛知県のユースリーグ【県3部リーグ】ではこのシステムで1年間戦い抜き優勝し、県2部に公立高校ながら昇格をすることができました。
なかなか出場することができなかったトーナメント戦の地区予選を勝ち抜き県大会に出場し、県ベスト32に入ることができました。そこまで大した記録ではありませんでしたが、全国大会出場経験のあるチームに対し真っ向から勝負を挑めたので私としては非常に有意義な時を過ごさせていただきました。本当に選手たちには感謝しています。
「世界中どこ探しても我々しかやっていないサッカーだ!」といって選手にはプライドを持ってもらっていました。
このシステムは中盤での数的優位を活かしてボールを保持しながら攻撃をしていくスタイル。もちろん2バックということで守備は高い位置からハイプレスを仕掛けてボールを奪いショートカウンターでも得点を奪いにいきます。ウイングバックの選手たちは上下動に優れた選手を配置し、前に後ろに顔を出していきます。
もちろん体力的に非常にハードなため、前後半でウイングバックの選手を代えるということをしていました。ウイングバックには特徴の異なる選手たちが複数いたため、全員の選手をピッチに立たせてあげたいという思いにもマッチしました。
相手のシステムはさほど関係なく(今は相手に応じて変化させよう!といっているので矛盾しますが…)中盤の数的優位を使って確実なポゼッションを選択していました。
2-7-1の各ポジションの呼び名
各ポジションの呼び方は下記になります。
フリーマンと呼ばれる選手がポイントです。このフリーマンはポジションは固定せずあらゆる場所に顔を出します。時にはCBの間、時にはサイド、時にはCFの隣、状況を見て味方のサポートに入っていく役割。
この戦い方にはいくつもの考えが詰まっています。
2バックなので中盤の7枚の選手たちの守備意識が上がる
「2バックで守るのは難しい。前で絶対に奪うこと!!ただもし、前で奪えなければ危ないところを必ずみんなで埋めること」というような話をしていました。すると危険なところをみんなで埋めるようになりました。
ウイングバックの積極的な攻撃参加
4バックだとSBの選手たちがなかなか攻撃参加できない状況があったため理由を聞いてみると「ディフェンスという立場なのでなかなか自分の守るべき場所を捨てていけない」という内容であったのでそこを解放するためにも最初から少し高い位置をあえて取らせていました。
逆サイドのウイングバックの位置を必ず見ておくことという決まりを作ったところボールが逆サイドにあるときは少し下がった位置にポジションを取ることが増えました。積極的な攻撃参加が増えてサイドで数的優位の中で攻撃することが増えました。
フリーマンの神出鬼没なプレー
フリーマンはチームの中で一番スキルが高い選手。その選手が困っている味方を攻守において助けるためにハードワークをする。私のコンセプトの中に「チーム内で一番上手な選手が一番ハードワークする。」というものがありました。その意味をフリーマンの選手には伝え、相手に「この選手はどのポジションの選手なんだ?誰がマークにつけば良いのか?」と混乱させる役目も担っていました。
ボール保持の時間を伸ばすことと即時奪回
中盤に人数を割いているためボール保持の時間を増やすこと、そのために7vs3、7vs4、7vs5、7vs6といったポゼッションのトレーニングを常にTRに入れて、保持することを求めました。そして後ろの人数が少ないためボールを失った瞬間にすぐ前に出て奪いにいくこともトレーニングを重ねました。
相手の力が上の時はなんだかんだで4−5−1のブロックに変化
相手の力が上回っていたり、押し込まれる時間帯は4-5-1や5-4-1のブロックを形成して守ることもある。ただし、元々のポジションは攻撃的な配置になっているため、攻撃に切り替わった瞬間の前に行くマインドは持っていたので、カウンターの鋭さはどの相手にも通用する場面は作ることができた。
まとめ
このような形で選手の特徴やオリジナルなやり方を考えることはとても大好きです。うまく適材適所がはまった形となりました。選手たちも卒業後もグランドに顔を出してくれて「あのサッカーはめちゃくちゃ大変だったけど楽しかった」といってくれました。次年度もやろうとしましたがうまくいきませんでした笑やはり選手たちの特徴に合わせて考えていくことは大切だなと実感しました。
これからも自分のやりたいサッカー、目の前の選手に応じたサッカーとのバランスをとりながら最高のチームづくりをしていきたいと思います。長文お付き合いいただきありがとうございました。
ではまた次回の記事でお会いしましょう!
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