はじめに
サッカーのピッチには90分間にわたり、無数の情報が流れています。ボールの位置、相手の立ち位置、味方のサポート角度、残り時間──こうした要素を一瞬で整理し、最適な判断をし行動を選ぶ(プレーする)のが選手の役割です。
しかし個々の判断がそろわなければ、チーム全体の力は分散してしまいます。そこで鍵となるのが「今は何をする時なのか」を全員で共有すること、すなわち“時を合わせる”ことです。
サッカーには攻撃・守備・トランジションが循環するサイクルがあります。フェーズごとの目的と切り替えの基準を整理し、チーム内で共通認識をつくる手順を解説します。以下の図も是非参考にしてください。

1.「時」とは何か
ここでいう「時」とは、プレーの目的と優先順位が一致している短い時間帯を指します。たとえば「保持する時」ならボールロストのリスクを減らすことが最優先、「アタックする時」ならゴールを奪う行動が最優先です。
この目的がそろっていれば、パススピードやサポート角度、プレスの方向は自然と一致し、プレーとして大きな効果を生み出せます。逆に目的がそろわなければ、パスは噛み合わず、守備は連動せず、失点やカウンターのリスクが高まります。
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