序章と結論
現代のサッカーは過去と比較すると、強度は上がり次のプレーをゆっくり考えているような時間はなく、プレースペースもよりコンパクトになる傾向にあります。
そんな中で、プレースピードを速くすることはとても重要だと考えています
結論としては以下の7つです。
パススピードを上げる
コントロールからパスまでを速くする
1タッチプレーの選択肢を必ず持っておくこと
観る、判断する、実行する。この時間を短くする
タイミングよくサポートをする
全員が連動する・イメージの共有
共通言語を作る
以下から詳細解説になります。
パススピードを上げること
パススピードを上げる事は非常に重要です。ピッチ内で一番速いものは言うまでもなくボールです。
そしてサッカーボールはどれだけ走っても(転がっても)疲れません。
有名な言葉がありますね。「ボールを走らせろ。ボールは疲れない」ヨハン・クライフが言った言葉で非常に有名であるため、皆さんも既にご存知だとは思っています。
このパススピードを上げるというトレーニングは、少しサッカーの重要な構成要素から逸脱するかもしれませんが、まずは簡単なスクエアパスだったりを行うことで、
どのように蹴ったらパスが強く速く出せるのか
どのような足の振り方
どのような歩幅を合わせかたならパススピードが上がるのか
を確認しながらトレーニングすることが有効だと思っています。
そしてそのプレッシャーのない中での技術が身に付いた後に、プレッシャーの中でそのパススピードをキープできるかというところを注意しながらしていくことで改善されるのではないかなと思っています。
コントロールからパスまでを速くすること
コントロールからパスまでを速くすること、やはりサッカーにおいて重要なのは「止める・蹴る」です。この「止める蹴る」の技術が低いと当然プレースピードは落ちますし、さらに言えばゴール前での有利な状況を作りにくいという状態に陥ってしまいます。
どういうことか?
例えばディフェンスから前線までビルドアップを考えてみましょう。
ディフェンスでトラップミス・ミッドフィルダーでトラップミス、そしてトップの選手へという経路をたどったとします。
ここで仮にトラップミスからボールを落ち着かせるのに2秒ずつかかったとすると、トップにボールが収まるまでに単純計算ではありますが、4秒近くの時間をロスしていますね。もし4秒かからなかったトップの選手はフリーでシュートを打てたシチュエーションだったかもしれません。
結局一つ一つのプレーに対する時間がものすごくかかってしまう=プレースピードが遅いは結果としてゴール前で必要な時間が稼げないと言う状況に陥ってしまいます。
1タッチプレーの選択肢を必ず持っておくこと
続いてワンタッチプレイの重要性についても述べたいと思います。やはりトラップ・パス、【トントン】といったイメージでプレーをするということも非常に重要ではありますし、プレーの精度としては確実ではあります。
しかしながら、ワンタッチでプレーするダイレクトでプレーすることに比べれば、少しプレースピードは遅くなってしまいます。
常にどんな状況でもダイレクトプレーと言う選択肢を頭の片隅に置いておくことで、プレースピードを上げることができると我々は考えています。
どんな状況であっても、例えばディフェンスラインでフリーで受けたとしてもダイレクトのプレーというのは常に頭の中に持っていて良いのではないでしょうか。
観る、判断する、実行する。この時間を短くする。
やはり判断のスピードを上げるということがとても重要です。サッカーでは観て・判断して・実行する、これの繰り返しです。詳細については他の記事でもっと細分化して述べていますが、3つの重要ポイントとしては観る・判断・実行です。
サッカーは情報戦です。いかにしてみて、速くこの情報を捉え、脳で処理・判断し、そして正確に実行するか。この時間を短くできれば短くできるほど判断の早いプレイヤー、そして優秀なプレイヤーと判断される可能性があります。
フィジカル的に劣っていたとしても、この判断のスピードさえあげれば、相手の身体的なスピードに勝ることが可能かもしれません。まずはこの見る判断実行のスピードを速めてみてはどうでしょうか。
タイミングよくサポートをする
タイミングよくサポートすることも重要です。
ギャップにタイミングよく顔出す。
ライン間にうまく顔を出しサポートする。
これらのタイミングがずれているとワンタッチプレーだったり、トラップ・パスの良いリズムというのが崩れてしまいます。このリズムが崩れることによって全体のプレースピードは結果として遅くなってしまいます。
やはりサポート・タイミングよく顔を出せないといったことが原因で確実にプレースピードは落ちてしまいます。まずは質の高いサポートを維持してみましょう
全員が連動する・イメージの共有
全員が連動しながらイメージを共有。これは非常に重要です。
先程言った「タイミングよくサポートする」というのはボールを持っている選手と近くにいる選手だけではありません。
近くにいる選手がサポートに行ったらそのまた近くにいる選手そしてもっと遠くの選手も、彼ら一人ひとりの動きを見て連動する必要があります。
その細かい連動がタイミングの良いサポート・質が高いサポートとなり、先ほど述べたワンタッチプレー、ダイレクトプレーだったりリズムの良い「トラップ・パス、トラップ・パス・・・」を繰り返すことができます。
よって1人のサポートがタイミングよくいったとしても上手く成立しないことが理解できると思います。まずは全体が連動する意識を必ず持ちましょう。
そして常にプレーのイメージを共有することが大事です。イメージを共有をするためには、やはり戦術・システム・サッカーの目的・原理原則等が頭で理解できているからこそ可能であると我々は考えています。
よってイメージを共有するために、サッカーのベースを学びましょう。家づくりも土台が重要なのと同様に、サッカーもベースとなる原理原則が重要です。
共通言語を作る
最後は共通言語を作るということです。我々メソッドラボは言語化にとてもこだわっています。この言語化にこだわる理由としては圧倒的にコーチングに役立ち、ピッチ内で選手間のコミュニケーションが向上するということです。
1つの言葉で全員がイメージを共有することができ、そのイメージの共有によって連動が起こります。そして連動が起こることによってリズムの良いプレー、すなわちダイレクトプレーやリズムの良いパスが生まれ、一つ一つのプレー時間が短くなる。
結果として全体のプレースピードは速くなる。よって、チーム全員が同じイメージを抱けるような共通言語を作ってください。そうすることでチームのプレースピードというのは劇的に変わると我々信じています。
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