今回のテーマは「観る」です。
サッカーでは「観る」ということが非常に大切だと私は考えています。
試合では単なるテクニックやスピードだけでなく、状況を冷静に「観て、判断すること」が不可欠です。この「観る力」がなければ、相手の動きやチーム全体の流れを正確に理解し、的確な判断を下すことが難しくなります。
以下に、サッカーでの試合において「観る力」が重要な理由を3つ挙げてみましょう。
相手の状況を把握して判断
サッカーは相手との駆け引きが欠かせません。相手の特徴・プレースタイル・ポジション(立ち位置)・距離、相手チームの戦術を把握することで、その都度適切な対応が可能になります。相手の特徴を的確に「観る力」がなければ、適切な判断→プレーの選択が難しくなります。
自分の状況を把握して判断
個々の選手もまた、自身の位置や周囲の状況を正確に把握する必要があります。ボールを持っている選手(オンザボール)も持っていない選手(オフザボール)も自分の状態を把握して、的確な判断を下さなければなりません。
これは攻守・ネガティブトランジション・ポジティブトランジション、いかなる状況においても同様です。
自分の役割・ポジショニング・相手との距離(等々…)を正確に「観る力」がなければ、無駄な動きやミスが生じやすく、またチームの戦術もうまく機能しない恐れがあります。
味方の状況を把握して判断
サッカーは「個」の戦い・能力だけでなく、チーム力が非常に重要です。味方の動きや立ち位置、全体の連動を理解することで、チームの戦術が発揮され試合を有利に運ぶことが可能になります。
よって相手に対して優位に立つためには、味方状況の把握が欠かせません。適切なタイミングでパスを出す、相手を引きつける動きをするなど、味方の状況を理解し、判断するために「観る力」が重要です。
観る力を養うTRの基盤は「1VS1」
したがって、これらの理由から「観る力」を養うことは、サッカー選手として非常に重要です。相手・自分・味方の3つの要素を的確に「観る力」を身につけることで、より高度な戦術が展開でき、個人としてもチームとしてもパフォーマンス向上に繋がります。
その第1歩となるのが実は「1vs1」のトレーニングにあります。
「え?もっと画期てなものがあるのでは?」と思っていた方。実はここには大事な要素が多く含まれています。
相手の状態をよく観てコーンを通過していく。
そして相手が来ていればキャンセル、ターンをして逆のコーンを目指す。
相手との間合い・己のスピード・相手のスピード…
これらを観て→判断材料にして→決断するのです。
ゲームで必要な要素・観るという要素が詰まった重要なレーニングになります。
1vs1 コーン通過
相手をよく観て逆をとるためのトレーニング。ウォーミングアップやベーシックなトレーニング1として行います。
マーカーとマーカーの間は10m、コーン間(上下)は3m、コーンとコーンの距離(左右)は10mが目安になります。
黄色のコーチからの配球。赤に配球してスタート。
ボールを持った赤は左右どちらかの黄色コーンの間をドリブル突破することを目指す。青はボールを奪い同じようにどちらかのコーンのドリブル突破を目指す。
まず相手をしっかりと観ること。コントロールで相手を誘導して逆をつくなど、駆け引きをすること。
守備は守るものが二つあるので一つに絞れるように相手を誘導することができるようにすること。守備も攻撃と同様に駆け引きをすること。
指導者としては重要なのは1VS1で勝てたことを褒める以上に、
「なぜその選択をとったのか?」
「どうしてその判断をしたのか?」
を考えさせることです。
偶然ではなく「観て・判断したこと」が勝利につながったと、自信を持たせることが指導者の役割です。
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