はじめに
ゲーム分析と聞いて「何を?どうやって?」とお困りの方や、「切り替え」が大事だと言われるけれど、どうやって切り替えの局面を見ていけば良いのかわからない方へ一つの分析観点をお伝えして行きたいと思います。
チームのプレーモデルを作成していくのにも役に立つ内容だと思いますので是非お読みください。
切り替えには2つの局面があります。①攻撃→守備(ネガティブトランジション)、②守備→攻撃(ポジティブトランジション)です。この局面はサッカーのゲームの中で必ず発生する局面です。
しかし、この局面のことをしっかりと整理しておかなければ、ゲームを支配することはできません。「切り替えを制するチームはゲームを制する」とも言われています。
今回は①の攻撃→守備(ネガティブトランジション)についてみて行きたいと思います。
攻撃→守備(ネガティブトランジション)
この局面における分析の観点は、
a.ボールの即時奪回
b.カウンター対応
になります。
自チームがボールを失った瞬間にどの様な行動を取るか??これが一つの分析になります。また、そのチームに切り替えのプレーモデルが存在するかが見えてきます。
a.ボールの即時奪回は文字の通り失った瞬間すぐにボールにプレスをかけ、ボールを奪い返すことです。「ゲーゲンプレス」とも呼ばれています。
バルセロナやドルトムント、リバプールなどが主にここに特化しているチームづくりをしていました。ポゼッション型の戦術を用いるチームにはマストな行動になります。
すぐさまボールを囲い込み奪い返す。グアルディオラ監督は「7秒ルール」を用いて失ってから7秒以内にボールを奪い返すという基準を浸透させていました。
b.カウンター対応は相手のカウンター攻撃に備えてD Fラインは背後のスペースを消しに行きます。
そしてチーム全体が守備の目的である「ゴールを守る」ということを一番に考えて自陣に、ゴール前に撤退して行きます。この2つを見るだけでもそのチームの特徴がわかります。
ハイブリット型と言われるa.b.どちらも併用していくチームが増えてきています。そこには「どの様なときに即時奪回にいくのか??どの様なときにカウンター対応をするのか??」と入ったチームに基準があるかも大切な要素です。
前の選手は奪い返しに行っているけれどD Fラインはカウンターに備えて下がってしまい中盤に大きなスペースができてしまいピンチを招いてしまうと入ったシーンはよく見られます。チームとしての意思統一が非常に大切な要素になります。
皆さんのチームはこのネガティブトランジションに何か決まり事はありますか??チームとしての基準は設定されていますか??
私は「奪う」「塞ぐ」「コース」「撤退」と入った言葉を使ってこのトランジションの基準を整理して行きます。
「奪う」は文字通りボールをすぐに奪い返しに行きます。
「塞ぐ」は相手のゴールへの最速のパスを塞ぐ位置に立つこと、「コース」は相手のパスコースを消すこと、「撤退」はゴール方向へ全員が戻ることを意味します。
これをボール状況によって判断していくことを整理して行きます。
何かの参考になれば幸いです。ポジティブトランジションについてはまたの機会に記事にしたいと思います。
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