はじめに – “数的有利”をもう一度考える
個々のスキル・この力はもちろん大切ですが、チームとしていかに“数的有利を作り出せるか?”は勝利に向けて大きなカギを握ります。1対1で勝敗が決まる場面は確かに見ごたえがあります。しかしながら最終的にゲームで勝てなければ意味がありません。よって、実際には2対1や3対2などの局面を作り出し優位に運ぶことで、結果として試合全体の流れを引き寄せられることが多いのです。
- 1対1で仕掛けるか、それとも2対1や3対2をつくるか
攻撃時も守備時も、「数的優位をいかにして作るか」の発想があるかどうかで状況が一変します。 - 広いスペースを使うのか、限られたスペースを使うのか
中盤やサイドなど、ピッチのどのゾーンで数的有利を活かすかで戦術も変わります。
本記事では、数的有利をテーマに、1対1から始まり2対1、3対2へと展開していく際の考え方をご紹介します。実際のビルドアップや局面別の対応方法なども交えながら解説していきますので、ぜひご一読ください。
数的有利とは何か? – 勝率を高める“プラス1”
数的有利とは、その名のとおり「プレーエリアや対峙する相手に対して、こちらの人数が多い状態」を指します。当たり前ですね(笑)たとえば相手1人に対して自チーム2人が対応できる状況が「2対1」、相手2人に対して自チーム3人が対応できる状況が「3対2」です。もちろんピッチ全体の人数差ではなく、【その局面】の人数差を指すのが一般的です。
- 攻撃面のメリット
数的有利を作ることで、ドリブル突破やパス交換の選択肢が増え、相手が守備の的を絞れない=守備がし辛い状態。 - 守備面のメリット
1人がチャレンジに行ける。そして抜かれたとしてもまだ危機的状況にならない。つまりアクションの守備が可能。
サッカーの試合は常に状況が変化するため、特定のエリアで人数差を作るか、あるいは相手の人数差を無効化するかが勝負の分かれ目になるのです。
1対1と2対1 – 基本の差をどう見るか?
1対1
1対1は、個々の選手の突破力や守備力が試される“勝負どころ”です。
個のフィジカルや技術がこの勝敗を分けます。
- 攻撃側:ドリブルテクニックやスピードで相手を抜き去れるかどうか。
- 守備側:タイミングよく体を当てて止める、またはディレイで時間を稼ぐ。しれとも身体能力で相手を上回ることができるか
ただし、広いピッチで1対1の状況を作るのは難しい場合も多く、もしもドリブルやパスをカットされれば、一瞬でピンチを迎えるリスクがあります。
2対1
攻撃
2対1になると、ドリブルで仕掛けつつも「もう1人のサポート」を得られるため、攻撃の選択肢が増えます。
- 選択肢が広がる:相手ディフェンダーが1人に集中すれば、もう1人がフリーになりやすい。
- 連携ができる最小単位:一度パスを出して相手を引きつけ、再度パス交換することでスペースを生み出す。ワンツーが典型・
守備
守備では、あえて1対1を仕掛けず、もう1人がカバーに入るチャレンジ&カバーの考え方も2対1の一例です。2人が連動すれば、相手ドリブルを止める可能性が飛躍的に高まります。
・チャレンジング&カバーが可能
・アクションの守備ができる
ビルドアップにおける数的有利
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