はじめに
サッカだけでなくスポーツ競技におていは選手個々の「センス」や「才能」が大きく勝敗を左右することが多々あります。ウサイン・ボルトはその典型例でしょう。多くの指導者が「生まれつきの才能」と「日々の努力」のどちらが重要か、またどのように両者を見極め、育成するかについて悩んでいることだと我々は考えています。 近年の研究では運動能力の大部分が遺伝的要因によって決まるとされています。(例:運動能力の約66%が遺伝要因とされる)一方で、環境やトレーニングによって後天的に育まれる側面も大きな役割を果たしていることが明らかになっているそうです。
ここまで読んで、実際にどっちが重要なんだ?という声が聞こえてきそうです。(笑)
~先天と後天の両面から見る才能~
まず、先天的な要素について考えてみましょう。身体能力や反射神経、瞬発力といった要素は、選手が生まれ持った遺伝子に大きく左右されます。例えば、ある種の遺伝子型がスプリンターとしての適性を示すという研究結果もあります。サッカーでは、スピードや加速力、瞬間的な力が重要となるため、こうした先天的な素質は大きなアドバンテージとなるのは確かです。実際、プロのサッカー選手の中には、幼少期からその運動能力の高さが周囲に認められ、早期からその才能を発揮している例も少なくありません。
しかし、先天的な要素だけでなく、後天的な努力・環境も才能形成には欠かせません。幼少期の多様な運動経験、技術指導、そして日々のトレーニングによって、基礎的な運動能力はさらに洗練され、個々の「センス」が磨かれていきます。ある意味、選手の「運動神経」は、脳と身体の連携による神経回路の発達が鍵となっており、反復練習や豊富な試合での経験がその発達を促すことが分かっています。つまり、先天的に優れた素質があっても、適切な環境や指導がなければ、その才能は十分に発揮されないのです。
【センスを磨く】指導者の役割
次に重要なのは、サッカー指導者としてどのように「後天的な才能育成」を実現するかという点です。後天的に取得しうる才能は選手ごとに異なり、必ずしも見た目のフィジカルだけで判断できない場合も多くあります。実際、優れたプレーヤーは技術面、判断力、そして試合中の「センス」を発揮するために、数多くのトレーニングや試合経験を積んでいます。
指導者には、各選手の持つ特性・能力を正確に見極めるための観察力が求められます。例えば、ドリブルやパス、視野の広さ、選手がどのような判断や動きをしているかを細かくチェックすることで、その選手が持つ「後天的に育てるべき部分」が徐々に明らかになってくるはずです。
また、トレーニングや練習環境にも工夫が必要です。個別トレーニングだけ(足元の技術や単純なパス回し)でなく、サッカーに必要な判断力を養うためのゲーム形式の練習、さらにはメンタルトレーニング・食事管理を取り入れることで、選手は「生まれ持った才能」だけではなく、後天的に磨かれる部分を大いに伸ばすことができます。才能はあったが…みたいな選手が皆さんの周りにもいないでしょうか。逆に、今世界で活躍している超一流の選手たちは、後天的に取得したもの(メンタル・食事管理・オフシーズンの自制心等々)も超一流ではないでしょうか?つまり後天的に取得する・学ぶものもとても需要です。
となると、指導者自身が常に学び研究し続ける姿勢はとても重要です。指導方法に柔軟性を持たせ、選手一人ひとりの才能を最大限に引き出す環境を作り上げることが我々のミッションとなります。すなわち、サッカー指導は単なる技術指導に留まらず、戦術指導・判断力の養うトレーニング・メンタル・食事管理等の様々な角度からの指導が重要です。
結果としてそれが、彼らの【後天的に取得可能な才能】を伸ばすことに繋がります。
まとめ:【先天的か後天的か】という答えではなく【どちらも大事】
サッカー選手の才能や「センス」は、先天的な遺伝要因と後天的なトレーニング・環境の相互作用によって形成されます。先天的な素質は、確かに初期のパフォーマンスに大きな影響を与えますが、後天的な努力や環境の整備がなければ、その才能は決して十分に開花しません。指導者として、各選手の個性や成長段階を見極め、適切なフィードバックと多様なトレーニングを組み合わせることが、最終的なプレーヤー育成の鍵となります。
「生まれつきの才能」はとても重要です。しかしながら固定観念にとらわれず、どの選手も後天的な努力で成長できる可能性を信じ、育成の環境作りに注力することが求められます。指導者自身も新たな知見を取り入れながら、選手一人ひとりのポテンシャルを最大限に引き出すためのアプローチを進化させていきましょう。
我々メソッドラボも常に記事を更新し、学ぶ姿勢を忘れないように努めています。今後も是非我々と一緒に学びましょう。本日の記事が皆様の参考になれば幸いです。
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