「ズレ」を作る:数的優位をどのようにしてつくるか

原理原則

今回は私がビルドアップ時に大切にしている「ズレを作る」について書いていきます。


とてもシンプルな考えであり、読んでいくと
「そんなのは当たり前」
って思うかもしれませんが、是非最後までお読みいただければと思います。

はじめに

4−4−2同士のミラーゲームと呼ばれる戦い方に沿って解説していきたいと思います。

このような時に私は個の力で相手を外していくというよりは、意図的にポジションの「ズレ」を作りながら前進していくことを試みることが多いです。

なぜなら自チームと相手の力の差が大きければ(自チームが優位であれば)個の力で外していけるかもしれませんが、相手との個の局面でなかなか外していけない場合(自チームが劣勢の場合)に、ビルドアップがうまくいかなくなることが多いからです。
(もしかしたら育成年代では個で剥がす力を獲得させるために、この形を取ることはあるかもしれませんが。)

「ズレ」とは何か?

このようにマッチアップの状況から意図的にポジションを変えて「+1」の状況を作ったり、相手が2枚なら3枚に、4枚なら5枚に、というようにマッチアップの状況を崩していくことを「ズレ」を作ると言います。

シンプルな考えとして2対1の状況を意図的に作るというイメージです。前進のベースを2対1の状況を作ることという形のコンセプトをとることが多いためこのような「ズレ」という言葉を使って表現しています。


前進がうまくいっていないチームを分析していくと、この「ズレ」を作ることができていないため、相手に常に注視されながらプレーをしていることが非常に多いです。

また、マッチアップしているため、相手守備に迷いが生じていないケースが目立ちます。
(マッチアップ時は目の前の的に集中していればよいため)

「ズレを作る」と言うことを、本来は選手が意図的に行うことができれば良いのですが、トレーニングをしたり、この考え方を知っていないとなかなか「ズレ」やプラス1を作る動きはできません。


少しのポジションの変化や、2対1での前進方法を知っているだけで、この動きがスムーズになり、前進を助けてくれることになります。

以下の動画を確認してください。

4-4-2VS4-4-2を想定した戦いの中で、攻撃時には前線に人数を割いて相手陣内深くで「ズレ」「数的優位」を作るための可変システムと、個々の選手の動き出しを行っています。
こちらの動画も是非チェックしてみてください。
皆さんが指導しているチームで「ズレ」をいう言葉が共通言語になることを期待しています。

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