【はじめに】トレーニング指導案を整理する意義
オーガナイズを作成し、指導していくうえで重要なのは「目的意識」と「一貫性」です。指導者が明確なテーマを設定し、そこに付随するキーファクター(重要なポイント)を整理しておくことで、選手たちがトレーニングの狙いを理解しやすくなり、結果としてゲームに直結するスキル・戦術理解を獲得しやすくなります。
逆にテーマがあいまいだったり、求めるポイントが散らかっていたりすると、選手側も「いま何を練習しているのか」「どのようなプレーが評価されるのか」が分からず、不安を抱えたり、自信を失ったりしてしまう可能性があります。
本記事では、トレーニング指導案を作成するうえで欠かせない要素のうち「ポゼッション」と「ビルドアップ」に絞り、テーマ別に注意したいポイントを整理してみます。実際に指導案を作成する際の参考になれば幸いです。
なぜテーマを細分化し、キーファクターを把握する必要があるのか
まずは、なぜわざわざキーファクターを整理する必要があるのでしょうか。その理由は大きく分けて以下の3点が挙げられます。
トレーニングのゴールを明確にするため
例えば「ポゼッションを高める」トレーニングを行う場合、単にボールを回すだけではなく、“OFF the Ballでの準備”“サポートの質”“攻撃方向の優先順位”など、具体的にどの部分を強化するのかを明確にすることが欠かせません。そのためには、あらかじめキーファクターを絞り込む必要があります。
指導内容やコーチングを一貫性のあるものにするため
テーマやキーファクターが定まらないまま指導を進めてしまうと、アドバイスがその場しのぎになりやすく、チーム全体で積み上げるべき要素がバラバラになってしまいます。結果的に選手の混乱を招き、「このトレーニングは何のためにやっているのだろう?」という疑問・不信感が生まれることもあります。
こうしたメリットからも分かるように、テーマとキーファクターの整理は、指導のクオリティを大きく左右します。それではさっそく、ポゼッションとビルドアップにおけるキーファクターを具体的に見ていきましょう。
【ポゼッション】ボール保持を優位に進めるために
1. OFF the Ballでの良い準備(しっかりと観ること、視野の確保、身体の向き)
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