試合の流れを左右する要素の中で、意外と見過ごされがちなのが「セットプレー」です。コーナーキック、フリーキック、スローイン、ペナルティキック――。これらはすべて、ボールが止まった状態から再開される「静止した状況」であり、プレーの再現性が高い場面です。
だからこそ、準備の差が如実に結果へと表れます。どれほどボール保持が上手いチームでも、セットプレーを軽視すれば勝ち切る力を欠くことになるでしょう。
なぜセットプレーは軽視されやすいのか
多くのチームが日々のトレーニングで重視するのは「ビルドアップ」や「守備ブロックの連動性」といった流れの中でのプレーです。試合全体の時間で見ても、セットプレーが占める割合はおおよそ10〜15%ほどといわれています。そのため、練習時間の配分を考えると後回しにされがちな分野でもあります。
しかし、実際のデータを見ると、得点の30〜40%がセットプレーから生まれている試合も少なくありません。特に、拮抗した試合ほどオープンプレーでの崩しが難しくなり、最終的に勝敗を決めるのは「一本のFK」「一つのCK」ということが多いのです。
再現性と準備が生むアドバンテージ
セットプレーの最大の特徴は「再現性」です。流れの中のプレーでは相手の動きやボールの流れに応じて瞬間的な判断が求められますが、セットプレーでは事前にパターンを設計し、選手が役割を明確に理解して臨むことができます。
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