はじめに
「ポケット」という用語は、メソッドラボでも共通言語でもあり近年のサッカー分析や解説でも徐々に登場するようになりました。従来はあまり馴染みがなかったかもしれませんが、戦術的にかなり高度化した現代フットボールでは、「いかにこのスペースを創り出し、活用するか」逆に守備では「いかにしてここを守るか?」が勝敗を左右するといっても過言ではありません。
メソッドラボでは下記の画像の用にエリアを分けて、ポケットを画像のように定義しています
重要なのはどのような意図で、どのエリアに、どのタイミングで、どのように選手が侵入するかという点です。今回はそんなポケット攻略のポイントについて的を絞って掘り下げていきます。
なぜポケットが重要なのか?
なぜポケットが重要視されるのか
最近では「コンパクトな守備」と「連動は当たり前」になっています。
ライン間をコンパクトに保ち、横へのスライドも組織的に行えるチームが増えたため、従来のように単純な中央突破やアタッキングサードへの侵入だけでは崩しきれないケースが多いです。そこで注目されるのが、“ポケット”と呼ばれるエリアです。
このスペースは、ズレや受け渡しの曖昧さが生まれやすいポイントでもあります。具体的には、タッチライン付近にウイングやサイドバックが張ることで相手を外側に広げ、その結果生じる内側のスペースを狙います。守備側からするとサイドも中央も同時にカバーする必要があり、ひとたびポケットに侵入されると、味方同士のマークの受け渡しが難しく、思わぬリスクを抱えることになります。
さらに、ポケットでボールを受けた選手が有効なのは、そこがゴールに近いだけでなく、パスやドリブルの選択肢、何をしても相手の脅威となる位置だからです。ポケットに入っている選手へ一気にボールを通し、そこからさらに崩しを継続できます。守備陣が集中して中央を閉じようとすればサイドへ展開され、逆にサイドを警戒すればポケットへの侵入が容易になる、という二択を強要できるわけです。
加えて、たとえ一度は完璧にブロックを整えても、相手が再度ワイドへボールを動かし、別のタイミングで同じようにポケットを突いてくる。それに対処しようとしてラインを微調整すれば、さらに別のスペースを空ける結果となる――こうした“繰り返しの引き起こされる”こともポケット侵入の脅威と言えるでしょう。
ポケット攻略の基本メカニズム
ポケットを生かす際の基本的なメカニズムは「ワイドに相手を広げる→内側の隙間を突く」というシンプルな考え方です。例えば、
- ウイングがサイドの高い位置に張り付く
- 相手のサイドバックや中盤の外側の選手がウイングをマークするため外へ広がる
- 内側に相手のマークが手薄なポケットが形成される
- そこにインサイドハーフやセンターフォワードがドリブルやワンタッチパスで侵入する
このとき、ビルドアップから連動して動き出すことで、相手にとっては対応しづらい複数の選択肢が同時に発生します。まさに“現代サッカーの縮図”と言ってもいいほど、チーム全体でスペースを創り出して利用することが重視されているのです。
“ポケット”とはどんなスペースか
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