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【サッカー解説:システム分析編】「4-3-3」バルサが一時代を築いた超攻撃型フォーメーション

2025 10/25
理論/TRメニュー 分析/解析
2024年7月13日2025年10月25日

今回は4-3-3です。
このシステムを聞いて最初に思い出す監督と言えば、名将「ペップ・グアルディオラ」とその黄金時代を気づいたバルセロナでしょう。








グアルディオラはこの超攻撃的でポゼッションサッカーが可能な「4-3-3」を使用してきました。




バルセロナでは、リオネル・メッシという最高のアタッカーを中心に中盤のシャビとイニエスタがボールを支配し試合を優位に運んでいました。


どのポジションにも世界的に有名な選手がいましたが、やはりバルセロナの心臓はシャビとイニエスタだと思っています。おそらく読者の方も同意見かと。


【4-3-3】のフォーメーションは、ポゼッションスタイルにおいて最適な配置とされています。


特徴としてはボールを保持したい時には、選手たちが最適な位置にポジションをとっており、且つ理想的な位置に広がりがあること。広いピッチを活かしてボールを動かすことが重要で、ボールを速く移動させることで選手は常にスペースと時間を確保することが可能です。


4-3-3の強みとして多くの書籍には、ピッチ上に多くのトライアングルが描かれ、幅広い配置が可能であることが挙げられます。確かに、4-3-3は自然な三角形を作り出し、ボールを保持している選手にはいつでも複数のパスコースが存在します。これにより、ポゼッションをベースとしたプレーが可能となります。


しかしながらこの「トライアングル」は正直どのシステムにおいても描くことは可能です。(可変ができるチームであるなら自由自在。)


私の考えでは4-3-3の強みは2つです。




まず、前線に3人のFWがいることです。
両WGがピッチいっぱいに広がると相手DF間の距離がどうしても開いてしまいます。そこで私がLaboで頻繁に伝えている「ライン間突破」「ライン間効攻略」が可能になります。


プレスをかける場面においても、3人の選手は相手の守備陣に対して脅威です。常にハイプレスを3人で書けることができるため。その後方には中盤の3人が中央エリアでカバー・フォローに徹します。連動して動くことにより高い位置でのプレスが可能になります。




超攻撃型に見えて、前線のトランジションが速ければ超積極的な守備が可能なシステムでもあると考えています。


次にDFです。前線に人数を割きながらも4人のDFを配置することができバランスよく守ることができます。



私の見解ではバルセロナのDFに屈強なフィジカルと慎重を備えた、プレミアリーグでプレイするような選手はいなかったと思っています。





そのような選手がいれば、DFは3枚でも可能だったわけです。しかしながらDFが4枚いることでそのような選手を置くよりも、グラウディオラとしてはポゼッションサッカーに適した選手をおくという選択をしたのかなと思います。こうすることでボールホルダーには複数のパスコースが生まれ、ポゼッション率が向上します。


ただしこのメリットを機能させるには、中盤の3枚の選手がキーマンになってきます。





この中盤が機能しないことは4-3-3においては致命的なものになりかねません。



目次

4-3-3のデメリット

4-3-3を採用する際の欠点は何なのか?
結論としては1点。ここを狙われるとかなりきつい・・・というポイントがあります


それは、4-3-3のアンカー脇の守備です。






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必然的にアンカーの守備範囲が広くなることが考えられます。
ここのスペースを誰が埋めるのか?
インサイドハーフが降りるかCBがチャレンジする、または全体が連動して…
等の決まりごとかないと崩壊してしまいます。




このシステムは選手が前がかりで攻撃に参加していくため、カウンターアタックの目を潰す必要があります。相手を遅らせるか、前進を食い止める等の何らかの策を投じなければなりません。しかしながら場面では数の不足を招き、カウンターでやられてしまうこともあります。




よって、奪われたすぐに奪い返す「トランジション」の能力が必要不可欠です。(トランジションのTRに関しては以下の記事をご覧ください)


あわせて読みたい
【サッカー解説】トランジション「攻守の切り替えを早くするトレーニング」 はじめに サッカーにおいて攻守の切り替えは極めて重要な要素であり、試合の勝敗に大きな影響を与えると言えます。 ゲームの中で起こる4つの局面「攻撃→攻守切り替え→守...

ここで取り返せない場合は、相手はさらに前進が可能であり、WGは自陣に戻ることを頻繁に求められることになります。となると体力はどんどん消耗され、いざという時の体力が残されていない状況になります。




過去振り返ると攻撃志向の強いチームは、【4ー3ー3】を採用することがありますね。
有名なところで言えば




・バルサのメッシ・スアレス・ネイマールの3トップ
・レアル・マドリーのベンゼマ・ベイル・クリロナの3トップ
・リバプールのマネ・サラー・フィルミーノ



など、世界最高峰のFWを揃えて攻撃に重点を置くため、このフォーメーションを選択していると私は考えています。




能力が高ければ攻撃面で言うと、即興で3トップの連携が可能な一方で、守備においてはチームのバランスを取ることが難しいという課題が生まれます。特に、FWが攻撃の中心でありながら守備においては限定的な貢献しかしない、または極端に言うと全く守備をしないなどの状況も生まれがちです。




よって3トップにボールが収まったら、確実に相手陣内まで攻め込み、悪くてもセットプレーで立て直すくらいの時間を稼ぐ必要があります。そうでないと守備陣営はカウンターに備えることができません。

よって、カウンターの局面では【4ー3ー3】は脆さを発揮しやすいです。ボールを失った瞬間に中盤のフィルターとなる選手が1枚しかいないということも1つの要因です。


国王杯のベイルのカウンターでは、彼の身体能力が注目されがちですがバルセロナ自身が前線でボールを奪いきることができなかったことも失点の最大の要因です。




アンカーとSB重要性

【4-3-3】ではアンカーの選手のスキルの高さは需要です。
動きを最小限に抑えつつ最適なポジションを取り、パスを受けて失敗のないプレーをすることが求められます。ACは中央のバイタルエリアを1人でカバーし、高いレベルで機能する必要もあります。守備の範囲が大きくなるのは当然ですね。



また、SBも重要です。
攻撃の要となりますが、前線の選手を越えていくスタミナ、相手が引きになった際に1対1の突破力が求められます。「偽SB」と言われる役割も存在しますが、これは以下の記事を読んでいただければと思いますので今回は説明を省略します。

あわせて読みたい
【偽SBとは何か?】:偽SBの目的と役割「ビルドアップをスムーズにする立役者」 はじめに:偽SBとは? 近年話題に上がる「偽SB」とは何か?その考え方について私なりの解釈をお伝えしたいと思います。前回の記事で「Jリーグにおいて4-3-3は機能がしに...




まとめ

4-4-3を機能させるのはかなり難易度が高いのではないか?というのが私の結論です。
とくに前の3トップの選手のスキルはかなり高くなければいけないし、中盤の選手のポゼッションの能力もとても重要です。もちろんDFも・・・




以下の記事も参考になります!!

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【4-3-3】は難易度が高いのか?浦和レッズから見る意図的なビルドアップ成功のためのポイント はじめに 浦和レッズ、横浜FMや川崎Fなどの【強豪】と言われるJリーグクラブが、リーグ戦では苦労している現状があります。浦和レッズはだんだんを順位を上げてきており...






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