近年のサッカー戦術を語る上で外せないキーワードのひとつが「カウンタープレス」です。英語では Counter-Press、ドイツ語では Gegenpressing(ゲーゲンプレス) とも呼ばれます。
この戦術は、ボールを失った直後に複数の選手が一斉にプレッシャーをかけ、短時間でボールを奪い返すことを目的としています。相手がまだ体勢を整えていない瞬間を狙うため、奪取後すぐに攻撃へ転じることができるのが特徴です。
1. カウンタープレスの基本概念
カウンタープレスの核となるのは「切り替えの速さ」です。ボールを失った瞬間に守備へ移行し、奪い返したら即攻撃へ移る。
この連続性が相手に休む時間を与えず、試合全体のテンポを自分たちのリズムに引き込む効果を生みます。
- 狙い:相手のカウンターを未然に防ぎ、再び攻撃権を奪う。
- 特徴:短時間での集中的なプレッシャーと高い位置でのボール奪取。
- 効果:ゴールに直結するチャンスを増やし、相手の守備組織を崩す。
2. 主な目的と効果
(1) 相手の速攻阻止
カウンタープレスは、相手のカウンターを封じるための最も直接的な方法です。攻撃から守備への移行が遅れれば、一気にゴール前まで運ばれてしまう可能性があります。ロスト直後に素早く囲い込むことで、そのリスクを最小限に抑えられます。
(2) 高い位置でのボール奪取
相手ゴールに近い位置で奪えば、そのままシュートや決定機に直結します。現代サッカーでは「守備からの攻撃」が得点源になるケースも多く、カウンタープレスはその代表的な形です。
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