今回のテーマは「フィニッシュのトレーニング」です。ここで言う“フィニッシュ”とは、単にシュートを打って終わりにすることではなく、「どうやってゴールを奪うか」をあらゆる状況で具体的に考え、実行するまでのプロセスを指します。特に守備が強固なゴール前では、シュートに至るまでの準備、パス&コントロールの質、さらには連携・連動・連続が欠かせません。
今回提示する指導案は、以前にJFA公認A級ジェネラルライセンスの東海トライアルを受験した際にまとめた内容をベースにしています。実際のトライアルでは「TR2」と「ゲーム」の部分だけが行われました。
以下に指導案に沿いつつ、どのような狙いでトレーニングを構成し、選手に何を求めたのかを解説していきます。
キーワードとしては「シュートの意識(プランニング)」「逆算の動き」「動きながらのコントロールの質」「観ること」「正確性」「」「リバウンド」などが挙げられます。これらを踏まえ、どのように実際のトレーニングで落とし込んでいくのかを具体的に見ていきましょう。
フィニッシュのトレーニングにおける基本的な考え方
“シュートへのプランニング”とは何か
強調したいポイントのひとつが「シュートへのプランニング」です。これは、ゴールを奪うために以下のような視点で考える、組み立てることが重要です。
- シュートを打ちやすいポジションを先に取る
例えば、よくあるミスのひとつとして「ボールを受けること」が目的化してしまうケースが挙げられます。自分のへそ(体の中心)を常にパスを出してくる方向(自陣ゴール)に向け、足元でもらうことに意識がいきすぎると、その次にシュートを打つ準備ができないまま相手に寄せられてしまいます。まずは“シュートを打つためにどこに自分のポジションを取るか”を意識することで、最終的なフィニッシュの確立をあげることができます。
- 逆算の思考
シュートから逆算し、どのようなコントロールが必要か、ボールの置き場はどこか、どう崩すかを常に考えます。ここで大切なのは個人技で打開するのはもちろんですが、パス&ゴーや味方とのワンツーなど、複数の選択肢を持ちながら相手の守備を崩すことです。
- シュートに至るまでの要素
シュートの質(打点やコース、パワーなど)だけでなく、受ける際のパスの質(スピードとコース)、コントロールの質(ボールの置き所)、そして視野や判断の質(誰がフリーか、相手守備のギャップ・ズレはどこか)といった要素のが絡み合います。守備側がしっかり寄せてくる、または強固なブロックを形成するときほど、この各要素の精度を高めなければフィニッシュまで持ち込むのは難しくなります。
守備側への働きかけの重要性
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