「トレーニング中にどこを見るのか・見えるべきなのか」といったことは指導者の共通の疑問だと考えています。今回は考えられる中で、特に重要だと思う【4つの視点】をまとめました。是非参考にしてください。
選手の表情
表情から読み取れる“心の動き”
私がトレーニング中に最も大切に観ているポイントは、「選手の表情」です。どのカテゴリーであろうと、まずは選手がどんな顔をしてプレーしているかをチェックします。そこには選手の“心の動き”が大きく表れると考えています。
この“心の動き”を見逃すと、適切な声かけやコーチングのタイミングを逸してしまうことがよくあります。反対に、選手の表情を注意深く観察していれば、「いまこの選手は少し迷っているな」「この場面に苦手意識がありそうだ」「集中しているから今は余計な言葉をかけないほうがいい」など、具体的に何をすべきかが見えてきます。
ポジティブに捉える“表情の変化”
「表情を観察する」と聞くと、ネガティブに捉える方もいらっしゃるかもしれません。いわゆる「顔色をうかがう」ような指導につながるのではないか、と。しかし私が見たいのはポジティブな面です。選手がいまどんなモチベーションを持ち、どんな想いでプレーしているのかを知ることで、より良い環境づくりを行うのが目的です。
もちろん、不安や戸惑いが表情に出ている時はケアが必要になります。そこにすぐに声をかけるのか、一度見守ってからタイミングを図るのかはケースバイケースですが、表情を見ていなければそもそも変化に気づけません。選手の心の揺れ動きを把握し、必要に応じてサポートする。これこそが指導者の仕事だと考えています。
球際の攻防と攻守の切り替え
“球際”はチームの性格を映し出す
次に大切なのが、「球際の攻防」です。これはサッカーにおいて昔から重視されてきたポイントですが、現代サッカーでもやはり外せない要素だと痛感しています。球際での攻防は、“相手に負けたくない”“ボールを奪い切る”という純粋な意欲が最も顕著にあらわれる場面です。
ここを軽視しているチームは、やはり大事な場面で勝てません。テクニックや戦術理解がどれほど優れていても、肝心なところでボールを奪い切れない、あるいは守り切れないために失点につながるケースが多いです。逆に、球際の強さがしっかり身についているチームは“粘り強さ”や“勝負強さ”を身につけていることが多いと感じます。
攻守の切り替えは“習慣化”が鍵
球際と並んで意識して観察しているのが、「攻守の切り替え」です。サッカーにおいて「ボールを失った瞬間にどう動くか」「ボールを奪った瞬間にどこを狙うか」は勝敗を左右する大きな要素です。
しかしながら、この“切り替え”はすぐに改善できる部分ではありません。日々のトレーニングのなかで徹底し、習慣化することによってようやく定着していくものです。「ボールを奪われたらすぐに取り返す」「ボールを奪ったらできるだけ素早く前進する、もしくはキープして優位を作る」といった当たり前のことを、どれだけ丁寧に繰り返せるかが重要です。
特に攻守の切り替えが曖昧なチームの場合、トレーニングで意図的に「攻→守」「守→攻」の回数を増やす設定をします。プレーが止まるたびにコーチングしてあげるのも効果的ですが、最終的にはプレーヤー自身が反応・判断し、動けるようになるのが理想です。
テーマの裏返し
“攻撃”のテーマでこそ“守備”を観る意義
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