*前提*
私は辞めるには2種類あると思っています
諦める=消極的撤退・諦める
辞める=積極的な舵きり・方向転換
があると考えています。「辞める=消極的撤退・諦める」と捉える人が多いと思いますが、私は後者の人間です。
「サッカーを辞めたい」
「部活動を辞めたい」
「練習が辛いから辞めたい」
ジュニアから大学生の年代でよくある事象だと思います。
選手からの突然のカミングアウト「サッカーを辞めたい」
指導者ならず、ご両親も突然のカミングアウトには驚かれると思います。
そして選手自体がサッカーに時間を費やしており、その過程を見守ってきたからこそ、以下のようにアドバイスをしがちです。
「ここで諦めたらもったいない」
「続けることに意味がある」
「辞めて何をするの?続けた方が絶対良い」
もしかしたらサッカー選手になれるかも?
彼がチームから抜けてしまったらかなり難しい戦いになってしまう…
いろいろな思いが駆け巡りますが、今回は「理屈(方向転換しないことで失う機会)」と「感情」を冷静に分けて考えてみたいと思います。
サッカー選手になれる割合はそもそもどのくらい?
そもそもサッカー選手になれる割合は何パーセントなのでしょうか?
私も色々を調べましたが0.15~0.2%というところが妥当のようです。
すなわち10,000人のサッカープレーヤーがいたら、その中でプロになれるのは15人~20人くらいです。たったの15人…
そしてここでさらに残酷な事実としてはプロというのは「お金をもらってサッカーをプレーしている」という分類になりますので、上記の人数が
・J1
・J2
・J3
・JFL
のどのカテゴリーに属するかは不明です。
もしかしたらJ1リーグでサッカー選手になれるのは10,000人に1人かもしれないし、そこで5年プロとして続けられるのはもっと少ない人数かもしれません。このようにサッカー選手として活躍し、生計を立てるというのは非常にごく一部の人間だということを把握しておいてください。
*注意
この項目の意図は、サッカー選手になるということは非常に難しい現実があるというだけであり、決して「諦める」ということを推奨しているわけではありません。
「受験のために…」は逃げではない
- ここで逃げたら受験でも失敗するぞ
- 逃げ癖が付くぞ
- 部活動も続けれらない奴が・・・
私があまり好きではない、ネガティブワードの言葉掛けを並べました。
ここも冷静に考えてみましょう。
受験のワードが良く出るので、今回は分かりやすく東京大学の合格率を考えてみました。結論としては東大に合格できる可能性はその年の受験者総数上位1.5%らしいです。
1.5%…なんとサッカー選手になるよりも10倍可能性が高い!!
(それは違います!!という参考文献があれば教えてください)
これは自分で調べても衝撃でした。
これは「高校生がサッカーから東大を目指すことに切り替える」という極端な話ですが、受験に方向を切り替えることは決して間違ったことではありません。もしかしたら全国大会に出るというか確率は地域によってはさらに困難を極めるかもしれないわけです。
受験を機にサッカーを辞める
勉強に集中したいから部活動を辞める
という判断は、確率・数字だけで見たら至極全うであり冒頭にお伝えしたネガティブワードはとても的外れなのが分かります。このような言葉掛けは、方向転換しようしている選手にとても失礼だと私は考えています。
サンクコストを捨てられない両親
ここまで頑張ってきたのにどうして…
と考えるのは親として当然ですよね。
「せっかく頑張ってきたのに」の裏側には、サンクスコストを捨てられないといった心理的現象があります。
サンクコストをネットで調べると…
事業に投じた資金・労力などの資本のうち、その事業を中止・廃止しても回収が見込めない費用のこと。 回収できない費用を惜しんで事業をやめられないことを「サンクコスト効果」と言う。
今回の件の「事業」と言う言葉を「サッカー」に置き換えてみてください。
そうするとサンクコストは…
・サッカーに費やした時間(親)
・本人の努力時間(本人)
・仲間関係
・お金
等々でしょうか?
本人がサンクコストを捨てられないのではなく、その周りの親・関係者たちがこれらを捨てられずに、ズルズルと引きずっていしまう傾向にあると私は考えています。
よって、中々背中を押してあげることができないといった状態が続きます。
…とは言っても我々の思い
散々理屈だけをまとめてきました、私の思いとしては…
「できれば続けて欲しい!!」
というのが事実です。いろいろな思いは駆け巡りますが、選手には最後まで続けて欲しいなというのが正直な気持ちです
この「最後」というのを指導者が勝手に「夏のインターハイ」「冬の高校サッカー選手権」と決めてしまうのはおかしい話ですが、「最後の大会」で奮闘するのを見てみたいというのが、指導者としての正直な思いです。
サッカーを続ける理由は様々であり、その目的が必ずしもプロフェッショナルになることでないのは分かります。
・体力づくり
・友達作り
・兄弟の影響
等々はあると思います。
皆さんはどうでしょうか?「辞めたい」と言った選手・自分の子供のどんな言葉をかけますか?ほとんどの選手が何かを機に「引退」します。
そんな決断をした時に、どんな言葉をかけてあげられるのか…事前に考えてみても良いかもしれませんね。
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