高校サッカー選手権の地区予選が各地区でスタートをしました。トーナメント戦で必ずと言って良いほど起こる「ジャイアントキリング」。リーグ制が導入されてから、序列がある意味はっきりしてきたため上位リーグのチームを「一泡吹かせてやろう!!」というモチベーションを持って下位リーグチームが試合に臨むことが多く見られます。
世界的に見てもカップ戦ではジャイアントキリングが見られます。ただし、どのチームもたまたまジャイアントキリングが起こったのではなく、意図を持って戦い、勝つ方法を考えに考えて戦っているからこそその確率が上がると私は考えています。実際に私もいわゆる「格上」をやっつけるためにさまざまな戦い方を行ってきました。今回はその一つをご紹介したいと思います。
なんと言ってもまず「強固な守備ブロック」が非常に大切になります。力の差があればあるほど、自分達のチームが得点をする機会は減ります。これは攻撃的に戦って行きたいと思うチームには頭が痛くなる様な部分ではありますが、ジャイアントキリングを起こすチームの一つ目の条件はチーム一丸となって守備ができるかということです。
5−4−1、4−5−1、4−4−2といったシステムがベースになりますが、まず割り切ってゴール前に張り付いて守備をすることができるか?です。もちろん前線から奪いにいくこともしてはいけないわけではありません。11人が一つの塊となって動けるか?ということです。要はチーム一丸となって「勝利」というものを追い求めることができるかです。

黄色チームが格下のチームと見立てて話をして行きます。まずは互いの距離をコンパクトに保ち、ブロックを形成できるか?です。これは4−4−2をベースにしていますが、

場合によっては6−3−1になるなど、人数をかけて絶対に守る!といった姿勢を見せることができるかということです。私はこのブロックを形成するときに原則やチームの中の約束事を決めていました。

図のように、自分達の目の前を通るパスは何本させても全く問題ない。だから「目の前を通るようなポジションを常に取ること」、これが一つ目の約束事になります。
自然と真ん中を締めて中央に塊を形成することにもなりますし、サイドにボールが入った時もボールを中心に「塊」で全員がスライドをしていくことになります。この約束が守れない選手がいるとそこから内側に刺されてしまいます。

とは入っても相手も外回りのパスばかりしていては一向に得点を奪うことができないため図の矢印のようなパスを選択することもあります。また、いくら強固な守備を形成していても集中力が切れたり、1人の選手が約束事を守れない時も1試合の中では出てきてしまいます。もちろんそこの集中力が切れないこともジャイアントキリングを起こす一つの要素ですが。
この「やられてはいけない縦パス」に対しては全員が注意しておく必要があります。入れられてしまった→絶対に人数をかけてプレッシャーをかけて奪いかえすことが必要です。

それと、

図の様に相手のボールを外に「吐き出させる」様に後ろのコースを開けておく守備をしてまたボールが外を循環する様にします。これも全員の連動が必要です。
そして、攻撃に打って出るためには、この相手の縦パスや中に入れてくるパスを狙うということが大切です。強固なブロックが形成されていれば相手はそう簡単に縦パスや中にボールを入れることはできません。しかし、入れないと崩れない。
この相手のジレンマを引き出し、無理やり入れてくる精度の低いパスを奪って相手D Fラインの背後にできている広大なスペースを使ってカウンターアタックを仕掛けます。

この様なイメージです。この時も私はカウンターは3人で完結という約束事を作っていました。2F W+ボールサイドのS H1人でシュートまでいく。
後のフィールドプレーヤーはラインは上げるけれど、攻撃に参加するのではなく失った後の守備のことを考えて、相手選手のマークの確認をして待ちます。この様なことを徹底して行うことで、力が上の相手でも、戦うことができます。
あくまでこれは一つの例であり、もう少し細かな約束事があります。「勝つ」という目的に対してどれだけ執着できるか?徹底してやり切ることができるか?ある意味自分のやりたいことを削って目の前のやるべきことに集中できるか?と入ったことが必要になってきます。
ひょっとすると今の町田ゼルビアはそこに近いのかもしれません。町田は代表選手等の補強があったためリーグの中でも戦力が整っているいわゆる「格上」のチームにシーズン途中で変わってきているかもしれませんが…。そのようなことを見ていくのも面白いのかもしれませんね。今回のものはあくまで主観になりますのでそこはご理解ください。
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