はじめに：ウィングの役割の変貌
今回は現代サッカーにおいて非常に重要な役割を占めるポジション「ウイング」について書いていきたいと思います。
ウィング（サイドアタッカー）は常にゴールゲッターという重要な存在であったと思います。しかしながらその「役割」と「求められる能力」は時代とともに大きく変化していると考えています。変化と書きましたが、求められる役割が一段と多くなってきたと思っています。過去と現代のウィングを比較すると、そこには明確な変化の流れが見て取れるのではないでしょうか？（あくまでも我々の見解を書かせていただきました。こんな考え方もあるな、という程度に楽しんでください）
過去のウィング像
かつてのウィングは、タッチライン際に張り付き、味方からのロングパスやサイドチェンジを受けて縦に駆け上がる役割が強調されていたと思います。
彼らは一般的に非常にスピードがあり、相手を振り切ることを得意としていました。攻撃面では、鋭いドリブル突破やクロス、そしてゴール前へと切れ込んで得点機会を生み出す「ポイントゲッター」的な仕事が期待されていました。
その一方で、守備への貢献はさほど重視されず、攻撃に専念することが許されていた面もあるのではないでしょうか？。強靭なフィジカルが武器になり、対人での勝負やロングボールへの対応力が求められたのが過去のウィング像だと考えています。
現代のウィング像
しかし、現代サッカーで求められるウィング像は、過去とは大きく異なると考えています。単純にサイドライン際で待ち構え、縦へのドリブル突破を狙う存在ではもはや不十分です。近年の戦術トレンドでは、ウィングはより流動的なポジション取りを行い、状況に応じて外へ開いたり内側へ絞ったりする。試合の流れを読む「ゲームメイカー」としての資質も兼ね備えることが求められていると考えています。
必ずしも大柄である必要はなく、小柄な選手でも技術力や戦術理解度が高ければチームの攻撃を組み立てる重要な役割を担うことができます。久保建英選手がその一例でしょう。
パスワークに参加し、攻撃のリズムを生み出し、時には自らフィニッシュに絡む。ピッチの幅を使うだけでなく、ボールを引き出して中央でのコンビネーションに関わったり、相手DFを味方のためにずらすポジショニングをとったりと、より多面的なアプローチが要求される。フィジカル能力は依然として重要だが、それと同時にプレーの「頭脳」、すなわちゲームをコントロールするセンスが不可欠になっています
求められる役割の変容
こうした変化をまとめると、昔のウィングはシンプルに「スピードとフィジカルを武器に、縦への突破と得点」を担当していました。しかし、今やウィングには「ゲームに積極的に関わり、パス、ポジショニング、創造性を駆使してチーム全体の攻撃を司る存在」へとその役割がシフトしていることが見て取れます。
つまり、ウィングというポジションは、過去から現代にかけて、単なる突破役・フィニッシャーから、チームの攻撃を広げリズムを生み出す「戦術的キーマン」として大きく進化したと言えます。サイドのスペシャリストから、ピッチ全体を見通せる「オールラウンダー」へと変貌したといえるでしょう。
以下から、もう少し具体的に内容を述べて行きたいと思います。
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