現代サッカーにおいて、サイドバック(SB)とウイングバック(WB)は極めて重要なポジションになりました。一昔前のサイドバック像といえば、豊富な運動量と上下動、そして「サイドを駆け上がってセンタリングを上げたら、すぐ戻ってこい」というものだったはずです。この記事では、そのイメージが今どう変わったのか、そして何が変わっていないのかを整理します。
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結論 ─ ベースは今も昔も「守備」
最近のSB・WBは、攻撃におけるタスクが明らかに増えています。しかし、我々がこのポジションに一番に求めるものは、今も昔も変わりません。「バック」という名前がつくポジションである以上、ベースは守備です。例えば4バックのサイドバックに180cmを超えるような大型の選手が置かれることがあるのも、結局は守備的な役割を大きく求められているからです。まずちゃんと守る。その上で、攻撃でどんな役割を担うか。この順番を間違えないことが大切です。変わったのは「守備の上に乗る攻撃タスクの量と種類」であって、守備という土台そのものではありません。
昔と今で、何が変わったのか
もちろん、サッカーは進化しています。かつてのサイドバックの象徴的な選手たちは、守備もできたうえで、攻撃では縦への突破からフィニッシャーにまでなっていく、「前に突き抜けていく」イメージでした。一方で現代は、内側に入ってボランチのような振る舞いをするサイドバックも珍しくありません。
つまり、大きな枠組みは変わっていないけれど、その時代その時代のサッカーに合わせて、役割が少しずつ変化してきた、ということです。そしてその役割を決めるのは、監督のプレーモデルです。守備というベースの上に、チームの戦い方に応じたタスクがどんどん上乗せされていく。これが現代のSB・WB像だと我々は捉えています。
時間とスペースの消失 ─ 「プレスをかわす技術」が必須になった
変化の背景にあるのは、ピッチ上から時間とスペースがなくなってきたことです。かつては、トップ下や10番と呼ばれる選手たちが、比較的時間とスペースのある中央でゲームを作れました。そしてサイドにはまだスペースが残っていたため、そこを縦に突破できる、上下動のできるサイドバックが重宝されました。スタミナと足の速さが、このポジションの代名詞だった時代です。
しかし今は、どのポジションでも相手のプレッシャーをかわす、いなす、矢印の逆を突くといった技術が求められます。ビルドアップにおいて、足元の技術がないディフェンスラインの選手は正直しんどい時代です。それでも中央に比べれば、サイドにはまだわずかにスペースが残されている。だからこそ、そこを攻撃の起点にするという発想のもと、SB・WBに求められる能力はさらに上がりました。攻撃的なクオリティの高いアタッカータイプの選手が、あえてウイングバックに置かれるケースが代表クラスでも見られるのは、守備に加えて「そこで攻撃の起点を作る」ことが期待されているからです。走れることは今もベースにあります。そのうえで、より高い技術を発揮できる選手が生き残っていくのです。
WBに「ゲームメイク能力」は必須なのか
では、現代のSB・WBには、ミッドフィールダーのようなゲームメイク能力が必須なのでしょうか。答えは、チームがどういう戦い方をするかで大きく変わります。
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